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理由で解く 柔道整復師

QJ34P009 衛生学・公衆衛生学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問9
問題
原虫はどれか。
選択肢
1 マラリア
2 カンジダ
3 リケッチア
4 クラミジア
解答
正解1(マラリア)
解説

4つのうち原虫が病原体であるのはマラリア(マラリア原虫)である。カンジダは真菌、リケッチアとクラミジアはいずれも細菌に分類される。

病原体は細胞の作りで大きく整理できる。原虫と真菌は核膜をもつ真核生物で、細菌は核膜をもたない原核生物、ウイルスは細胞構造をもたない。原虫は単細胞の真核生物で、複雑な生活環をもつものが多い。マラリア原虫はハマダラカの吸血によってヒトに入り、まず肝細胞で増えたのち赤血球に侵入して増殖し、赤血球の破壊に一致して周期的な発熱発作を起こす。一方、リケッチアとクラミジアは細胞壁をもち二分裂で増える細菌でありながら、エネルギー代謝の一部を宿主に依存するため生きた細胞の中でしか増殖できない偏性細胞内寄生菌である。細胞壁をもたないマイコプラズマとあわせて「性質が特殊な細菌」として一括りに覚えておくと、分類問題で迷いにくい。

✓ 1. 正しい
マラリア
病原体はマラリア原虫(Plasmodium属)で、単細胞の真核生物すなわち原虫である。熱帯熱・三日熱・四日熱・卵形の4種が代表的で、ハマダラカが媒介する。熱帯熱マラリアは重症化しやすく、輸入感染症として発熱患者では渡航歴の確認が重要になる。
✗ 2. 誤り
カンジダ
Candida albicans などによる真菌感染症である。真菌も真核生物だが原虫とは別の群で、口腔・食道・腟のカンジダ症や、免疫が低下した際の深在性感染を起こす。
✗ 3. 誤り
リケッチア
細菌に分類される偏性細胞内寄生菌である。ツツガムシ病、日本紅斑熱、発疹チフスなどの原因となり、ダニやシラミなど節足動物が媒介する点が特徴。
✗ 4. 誤り
クラミジア
これも細菌で、偏性細胞内寄生菌である。性器クラミジア感染症、トラコーマ、オウム病の原因となり、基本小体と網様体を行き来する独特の増殖環をもつ。
ポイント
  • 原虫(真核・単細胞)=マラリア原虫、赤痢アメーバ、トキソプラズマ、腟トリコモナス、クリプトスポリジウム
  • 真菌(真核)=カンジダ、アスペルギルス、白癬菌、クリプトコッカス
  • リケッチア・クラミジアは細菌。ただし偏性細胞内寄生で生きた細胞内でしか増殖できない
  • マイコプラズマは細胞壁をもたないため、βラクタム系抗菌薬が無効
  • マラリアはハマダラカが媒介。周期的発熱が特徴で、熱帯熱マラリアは重症化しやすい輸入感染症
比較表
病原体分類核膜代表的な疾患
マラリア原虫原虫あり(真核)マラリア(ハマダラカ媒介)
カンジダ真菌あり(真核)口腔・食道・腟カンジダ症、深在性真菌症
リケッチア細菌(偏性細胞内寄生)なし(原核)ツツガムシ病、日本紅斑熱、発疹チフス
クラミジア細菌(偏性細胞内寄生)なし(原核)性器クラミジア感染症、トラコーマ、オウム病
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