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理由で解く 柔道整復師

QJ34A116 病理学概論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問116
問題
病理検体の採取時に用いる固定液はどれか。
選択肢
1 キシレン
2 ホルマリン
3 パラフィン
4 エオジン
解答
正解2(ホルマリン)
解説

病理検体は採取したその瞬間から自分の酵素で溶け始めます。これを止めて「採った時の姿」で保存するのがホルマリン固定です。

組織は体から離れると血流が途絶え、細胞内のリソソーム酵素によって自己融解が進み、さらに細菌による腐敗も加わります。10%中性緩衝ホルマリン(ホルムアルデヒドの水溶液)は蛋白質どうしを架橋して酵素の働きを止め、細胞の形態と抗原性をできるだけ保ちます。標本はこのあと、脱水(アルコール)→透徹(キシレン)→包埋(パラフィン)→薄切→染色(ヘマトキシリン・エオジン)という順で作られるので、選択肢の他の3つはいずれも固定より後の工程で登場します。実務では、採取したらすぐに、検体の10倍以上の量の固定液へ完全に浸かるように入れて提出するのが基本です。

✓ 2. 正しい
ホルマリン
ホルムアルデヒドの水溶液で、蛋白を架橋して自己融解と腐敗を止める固定液です。通常はpHを整えた10%中性緩衝ホルマリンを用います。
✗ 1. 誤り
キシレン
透徹剤です。アルコールにもパラフィンにも混ざる有機溶媒で、脱水した組織へパラフィンを染み込ませる橋渡しをします。染色前の脱パラフィンにも使いますが、固定の作用はありません。
✗ 3. 誤り
パラフィン
包埋剤です。加温して溶かした状態で組織にしみ込ませ、冷やして固めることで薄く切れる硬さを与えます。液体の状態で使う場面はありますが、組織を固定する薬品ではありません。
✗ 4. 誤り
エオジン
染色色素です。HE染色の「E」にあたる酸性色素で、細胞質や膠原線維を赤〜ピンクに染めます。工程としては最後の段階で使います。
ポイント
  • 標本作製の順番をひとつながりで覚える:固定 → 脱水 → 透徹 → 包埋 → 薄切 → 染色
  • 固定液の定番は10%中性緩衝ホルマリン。目的は自己融解・腐敗を止め、形態と抗原性を保つこと
  • キシレン=透徹・脱パラフィン、パラフィン=包埋、エオジン=染色。どれも固定より後ろの工程
  • 採取後はできるだけ早く、検体の10倍以上の固定液に全体が浸かるように入れる
  • HE染色はヘマトキシリン=核を青紫エオジン=細胞質・線維を赤ピンク
比較表
試薬・材料工程役割
ホルマリン固定蛋白を架橋し、自己融解・腐敗を止める
エタノール脱水組織中の水分を置き換える
キシレン透徹・脱パラフィンアルコールとパラフィンの橋渡しをする
パラフィン包埋薄切できる硬さに固める
ヘマトキシリン・エオジン染色核を青紫、細胞質を赤ピンクに染め分ける
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