学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ34A075

理由で解く 柔道整復師

QJ34A075 解剖学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午前 問75
問題
副交感神経はどれか。
選択肢
1 下腹神経
2 大内臓神経
3 小内臓神経
4 骨盤内臓神経
解答
正解4(骨盤内臓神経)
解説

副交感神経は骨盤内臓神経である。他の3つはいずれも交感神経の枝である。

副交感神経が中枢から出るのは、脳幹(第III・VII・IX・X脳神経)と仙髄S2〜S4の2か所だけで、これを頭仙系という。骨盤内臓神経はこの仙髄側の出口にあたり、S2〜S4の前根から出て下下腹神経叢に加わり、下行結腸から直腸、膀胱、内生殖器を支配する。排便では直腸を収縮させ、排尿では膀胱の排尿筋を収縮させ、さらに勃起にも関わるため「勃起神経」とも呼ばれる。一方、内臓神経と名の付くもののうち大内臓神経・小内臓神経・最下内臓神経は胸髄から出る交感神経の枝で、交感神経幹を素通りして腹腔神経節などでニューロンを換える。名前の「内臓」に引かれず、出てくる髄節の高さで自律神経の種類を判断するのが確実である。

✓ 4. 正しい
骨盤内臓神経
S2〜S4から出る副交感神経(骨盤神経)。下下腹神経叢に加わり、下行結腸以下の消化管・膀胱・内生殖器を支配する。節後ニューロンは支配臓器の壁内またはごく近くにあり、節前線維が長く節後線維が短いという副交感神経の特徴どおりである。
✗ 1. 誤り
下腹神経
上下腹神経叢から下下腹神経叢へ向かう交感神経の線維束。射精や膀胱頸部の収縮に関与する。骨盤内臓神経と同じ下下腹神経叢に集まるため紛らわしいが、性質は正反対と押さえる。
✗ 2. 誤り
大内臓神経
おおむねT5〜T9の高さの交感神経幹から起こり、横隔膜を貫いて腹腔神経節に至る交感神経。節前線維のまま交感神経幹を通過する点が特徴。
✗ 3. 誤り
小内臓神経
おおむねT10〜T11から起こり、大動脈腎神経節や上腸間膜動脈神経節へ向かう交感神経。大内臓神経の1つ下の高さと覚えるとよい。
ポイント
  • 副交感神経の出口は脳幹(III・VII・IX・X)と仙髄S2〜S4の2か所=頭仙系。
  • 骨盤内臓神経=S2〜S4の副交感神経。下行結腸以下・膀胱・内生殖器を支配し、排尿・排便・勃起に働く。
  • 「内臓神経」と付いていても大・小・最下内臓神経は胸髄由来の交感神経。名前ではなく髄節で判断する。
  • 交感神経は胸髄T1〜腰髄L2(L3)から出る胸腰系。この範囲外から出る自律神経は副交感神経と考えてよい。
  • 副交感神経は節前線維が長く節後線維が短い。交感神経はその逆。
比較表
神経種類由来する髄節おもな行き先
大内臓神経交感約T5〜T9腹腔神経節
小内臓神経交感約T10〜T11大動脈腎神経節・上腸間膜動脈神経節
最下内臓神経交感約T12腎神経叢
下腹神経交感胸腰髄由来上下腹神経叢→下下腹神経叢
骨盤内臓神経副交感S2〜S4下下腹神経叢→骨盤内臓
迷走神経副交感延髄横行結腸の途中まで
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