学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 生理学 ▸ §8 尿の生成と排泄 / QJ33A101
理由で解く 柔道整復師
糸球体濾過率(GFR)の指標になれるのは、「糸球体で自由に濾過され、そのあと尿細管で再吸収も分泌もされない」物質だけです。臨床でその条件に最も近く、体内で一定量つくられ続けるのがクレアチニンです。
ある物質のクリアランスは〔尿中濃度 × 尿量 ÷ 血漿濃度〕で求めます。この値がそのままGFRを表すには、①糸球体を自由に通過する(小分子でタンパクと結合していない)、②尿細管で再吸収されない、③尿細管から分泌されない、という3条件が要ります。3条件を完全に満たすのがイヌリンで、GFR測定の基準物質です。ただしイヌリンは体内にないため点滴投与が必要で、日常検査には向きません。そこで、筋肉のクレアチンリン酸から一定の速さで生じるクレアチニンを代用します。クレアチニンは尿細管からわずかに分泌されるためGFRをやや高めに見積もりますが、採血だけで繰り返し評価でき、実用上の標準になっています。まず「その物質が尿細管で何をされるか」を思い出してから、何の指標かを決める順で考えると迷いません。
| 物質 | 糸球体濾過 | 尿細管での扱い | 何の指標か |
|---|---|---|---|
| イヌリン | 自由に濾過 | 再吸収も分泌もされない | 糸球体濾過率GFR(基準物質) |
| クレアチニン | 自由に濾過 | 再吸収されない/ごく一部が分泌 | 糸球体濾過率GFR(臨床で使用) |
| パラアミノ馬尿酸 | 濾過される | 近位尿細管から強く分泌 | 腎血漿流量RPF(GFR÷RPF=濾過分画≒0.2) |
| グルコース | 自由に濾過 | 近位尿細管でほぼ全部再吸収 | GFRの指標にならない(尿糖・再吸収閾値の話) |
| ナトリウム | 自由に濾過 | 99%以上を再吸収、ホルモンで変動 | GFRの指標にならない(体液量調節) |
解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。