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理由で解く 柔道整復師

QJ32P012 衛生学・公衆衛生学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問12
問題
水質で正しいのはどれか。
選択肢
1 COD の環境基準達成率は100%である。
2 水道水の水質基準に硬度の項目がある。
3 水道水に一般細菌は検出されてはいけない。
4 水道水に遊離残留塩素は検出されてはいけない。
解答
正解2(水道水の水質基準に硬度の項目がある。)
解説

水道法に基づく水道水の水質基準には「カルシウム、マグネシウム等(硬度)」の項目があり、300mg/L以下と定められている。

水道水の水質基準は水道法に基づいて定められ、人の健康の保護に関する項目(重金属、有機物、消毒副生成物など)と、水道水が有すべき性状に関する項目(色度、濁度、味、におい、硬度など)からなる。硬度はカルシウムとマグネシウムの含量を炭酸カルシウム量に換算した値で、高すぎると味が悪く石けんの泡立ちも悪くなり、低すぎると味気なくなるため、快適性の観点から上限が設けられている。細菌の扱いも整理しておきたい。糞便汚染の指標である大腸菌は「検出されないこと」と厳しく定められる一方、一般細菌は「1mLの検水で形成される集落数が100以下」であればよく、ゼロである必要はない。また塩素消毒については、給水栓(蛇口)で遊離残留塩素0.1mg/L以上(結合残留塩素なら0.4mg/L以上)を保持することが水道法施行規則で義務づけられており、配水過程での再汚染を防いでいる。「検出されてはいけないもの(大腸菌)」「一定量以下ならよいもの(一般細菌・硬度)」「一定量以上必要なもの(残留塩素)」の三通りがあると押さえるとよい。

✗ 1. 誤り
COD の環境基準達成率は100%である。
CODは湖沼・海域の有機汚濁の指標である(河川はBODを用いる)。本問出題当時の公共用水域水質測定結果では、河川のBOD達成率が9割を超えるのに対し、湖沼のCOD達成率は5割前後にとどまっており、100%には達していない。湖沼や内湾のような閉鎖性水域では、流入した窒素・りんによる富栄養化で植物プランクトンが増え、水域内部で有機物が生産されるため改善が難しい。
✓ 2. 正しい
水道水の水質基準に硬度の項目がある。
水道水の水質基準に「カルシウム、マグネシウム等(硬度)300mg/L以下」の項目がある。健康被害というより、味や石けんの泡立ちといった水道水が有すべき性状に関する項目として設定されている。
✗ 3. 誤り
水道水に一般細菌は検出されてはいけない。
一般細菌の基準は「1mLの検水で形成される集落数が100以下」であり、検出が一切許されないわけではない。「検出されないこと」と定められているのは大腸菌のほうで、こちらは糞便汚染の指標であるため厳しく規定されている。一般細菌は水の全般的な清浄度や処理の状態を示す指標として用いる。
✗ 4. 誤り
水道水に遊離残留塩素は検出されてはいけない。
逆に、水道法施行規則により給水栓で遊離残留塩素を0.1mg/L以上(結合残留塩素なら0.4mg/L以上)保持することが義務づけられている。浄水場から蛇口までの配水過程で細菌が再増殖したり汚染が入り込んだりするのを防ぐ仕組みで、残留塩素があることは安全の証といえる。ただし過剰だとカルキ臭の原因になるため、水質管理目標設定項目として1mg/L以下という目安も置かれている。
ポイント
  • 水道水の水質基準に「カルシウム、マグネシウム等(硬度)300mg/L以下」の項目がある(性状に関する項目)。
  • 大腸菌は「検出されないこと」、一般細菌は「1mLの検水で集落数100以下」。両者の扱いは異なる。
  • 遊離残留塩素は給水栓で0.1mg/L以上(結合残留塩素は0.4mg/L以上)の保持が義務。あることが必要。
  • 有機汚濁の指標は河川がBOD、湖沼・海域がCOD。CODの環境基準達成率は100%ではなく、湖沼で5割前後と低い。
  • 閉鎖性水域で改善が進まない主因は、窒素・りんの流入による富栄養化と内部生産。
比較表
項目基準の考え方基準値
大腸菌検出されてはならない検出されないこと
一般細菌一定量以下ならよい1mLの検水で集落数100以下
硬度(カルシウム、マグネシウム等)一定量以下ならよい300mg/L以下
遊離残留塩素一定量以上必要給水栓で0.1mg/L以上
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