学習トップ理由で解く 柔道整復師衛生学・公衆衛生学 ▸ §1 健康の保持増進と疾病予防 / QJ32P011

理由で解く 柔道整復師

QJ32P011 衛生学・公衆衛生学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問11
問題
受動喫煙の防止について規定しているのはどれか。
選択肢
1 環境基本法
2 健康増進法
3 地域保健法
4 ダイオキシン類対策特別措置法
解答
正解2(健康増進法)
解説

受動喫煙の防止を規定しているのは健康増進法である。

健康増進法は2002年に成立し2003年に施行された、国民の健康づくりを進めるための法律で、国民健康・栄養調査や特定給食施設の基準などとともに、当初から受動喫煙の防止が盛り込まれていた。施行当初は施設管理者の努力義務にとどまっていたが、2018年の改正(2020年4月全面施行)で「望まない受動喫煙をなくす」ことが義務化された。第一種施設は受動喫煙により健康を損なうおそれが高い者が主に利用する施設で、学校(大学を除く)・児童福祉施設・病院・診療所・助産所・薬局・介護老人保健施設・介護医療院・行政機関の庁舎に加え、柔道整復師法第19条第1項に規定する施術所およびあん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律に規定する施術所が健康増進法施行令第3条に列挙されており、これらは原則として敷地内禁煙である。一方、飲食店・事務所・工場・鉄道・大学などの第二種施設は原則屋内禁煙で、喫煙する場合は基準を満たした喫煙専用室等が必要となる。また20歳未満の者は、客としても従業員としても喫煙室に立ち入ることができない。受動喫煙は肺癌、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群(SIDS)などのリスクを高めることが確立しているため、こうした規制が設けられている。柔道整復の施術所は上記のとおり第一種施設であり、屋内禁煙では足りず原則敷地内禁煙である点に注意したい。屋外に喫煙場所を置けるのは、区画されていること、喫煙可能である旨の標識を掲示すること、施設の利用者が通常立ち入らない場所であることという特定屋外喫煙場所の要件をすべて満たす場合に限られ、そうした場所を設けないのであれば敷地内は全面禁煙となる。自分の将来の職場に直接かかる規制なので、確実に押さえておきたい。

✗ 1. 誤り
環境基本法
環境基本法は環境保全の基本理念と施策の枠組みを定める法律で、大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・騒音・振動などについて環境基準を設定する根拠となる。屋外の環境保全が対象であり、屋内での受動喫煙の防止は規定していない。
✓ 2. 正しい
健康増進法
健康増進法が受動喫煙の防止を規定する。2018年改正・2020年4月全面施行により、第一種施設(学校・病院・診療所・助産所・薬局・柔道整復等の施術所・児童福祉施設・行政機関の庁舎など)は原則敷地内禁煙、第二種施設(飲食店・事務所・工場など)は原則屋内禁煙となり、20歳未満の者は喫煙室に立ち入れないこととされた。
✗ 3. 誤り
地域保健法
地域保健法は保健所や市町村保健センターの設置、地域保健対策の推進に関する基本指針などを定め、地域保健の実施体制をつくる法律である。健康づくり事業の受け皿を整える役割であり、受動喫煙防止そのものを規定するものではない。
✗ 4. 誤り
ダイオキシン類対策特別措置法
ダイオキシン類対策特別措置法は、耐容一日摂取量(TDI)や大気・水質・土壌の環境基準、廃棄物焼却炉などからの排出規制を定める法律である。対象はダイオキシン類であり、たばこ煙は扱わない。
ポイント
  • 受動喫煙防止の根拠法は健康増進法(2002年成立・2003年施行、2018年改正で義務化、2020年4月全面施行)。
  • 第一種施設は原則敷地内禁煙。学校(大学を除く)・児童福祉施設・病院・診療所・助産所・薬局・介護老人保健施設・介護医療院・行政機関の庁舎などが該当する。
  • 柔道整復の施術所(およびあん摩マッサージ指圧・はり・きゅうの施術所)は健康増進法施行令第3条で第一種施設に列挙されている。屋内禁煙ではなく敷地内禁煙である。
  • 第一種施設で屋外に喫煙場所を置けるのは、区画・標識の掲示・利用者が通常立ち入らない場所という特定屋外喫煙場所の要件をすべて満たす場合のみ。設けなければ敷地内は全面禁煙。
  • 第二種施設(飲食店・事務所・工場・大学など)は原則屋内禁煙。喫煙には基準を満たす喫煙専用室等が必要。
  • 20歳未満の者は客としても従業員としても喫煙室に立ち入れない。
  • 受動喫煙で確立した健康影響は肺癌、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群(SIDS)など。
比較表
法律主な内容
健康増進法受動喫煙の防止(第一種施設=敷地内禁煙/第二種施設=屋内禁煙)、国民健康・栄養調査、健康づくりの基本方針
環境基本法環境保全の基本理念、大気・水質・騒音などの環境基準の設定根拠
地域保健法保健所・市町村保健センターの設置、地域保健対策の基本指針
ダイオキシン類対策特別措置法ダイオキシン類の耐容一日摂取量(TDI)、環境基準、排出規制
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