学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 病理学概論 ▸ §5 循環障害 / QJ32A122
理由で解く 柔道整復師
高血圧で心臓に起こるのは、心筋細胞が一つひとつ太くなる「肥大」であって、細胞の数が増える「過形成」ではない。したがって心筋過形成が誤りである。
細胞は増殖能によって分類され、心筋細胞・骨格筋細胞・神経細胞は分裂能をほとんど持たない永久細胞である。負荷がかかっても数を増やせないので、個々の細胞が太く大きくなる肥大という形で適応する。高血圧では左室が高い後負荷に逆らって血液を送り出すため求心性肥大を起こし、はじめは代償できても、やがて壁が硬くなって拡張障害を生じ、冠血流の需給バランスも崩れて心不全へ進む。血管側では細動脈硬化と粥状硬化が促進され、脳では被殻や視床を灌流する細い穿通枝が破れて脳出血を起こし、腎では細動脈硬化から糸球体が硬化して腎硬化症となる。眼底の高血圧性変化や大動脈解離も同じ流れで理解できる。血圧を下げることがこれらの合併症を減らす最も確実な手段であり、受療と生活習慣の見直しを促すことが実践面での要点となる。
| 肥大 | 過形成 | |
|---|---|---|
| 変化の中身 | 細胞1個が大きくなる(数は不変) | 細胞の数が増える |
| 起こりうる細胞 | 永久細胞でも可(心筋・骨格筋・神経) | 分裂能をもつ細胞に限る |
| 例 | 高血圧による心筋肥大、トレーニングによる骨格筋肥大 | 前立腺肥大症、甲状腺腫、子宮内膜増殖症 |
| 実質臓器での組合せ | 単独で起こることが多い | 肥大と同時に起こることも多い |
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