学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §11 体表解剖 / QJ32A064

理由で解く 柔道整復師

QJ32A064 解剖学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問64
問題
腹壁の模式図を示す。虫垂の基部を反映するのはどれか。
図
選択肢
1 1
2 2
3 3
4 4
解答
正解1
解説

虫垂基部の体表投影点はマックバーニー点で、右上前腸骨棘と臍を結ぶ線の外側3分の1にある。図では1がこれにあたる。

虫垂は盲腸の後内側壁から出るため、基部の位置は体表からある程度一定に投影でき、圧痛点として診察に用いられる。マックバーニー点は右上前腸骨棘と臍を結んだ線を3等分し、上前腸骨棘側から3分の1の位置にとる点で、虫垂基部にほぼ一致する。これに対しランツ点は左右の上前腸骨棘を結ぶ線を3等分した右側3分の1の点で、虫垂の先端側の圧痛を拾いやすい。キュンメル点は臍の右斜め下1〜2cmあたりに置く。虫垂炎の痛みは、初期には心窩部から臍周囲の漠然とした内臓痛として現れ、炎症が壁側腹膜に及ぶにつれて数時間かけて右下腹部へ移動し、圧痛が一点に限局する。さらに反跳痛(ブルンベルグ徴候)や筋性防御が加わる。柔道整復の現場で腰背部痛や腹部症状を訴える患者に出会ったとき、痛みの移動、限局した圧痛、反跳痛、発熱、食欲低下がそろえば施術は行わず、速やかに医療機関の受診につなぐ判断が求められる。

✓ 1. 正しい
1
図に示された点のうち、右上前腸骨棘と臍を結ぶ線の外側3分の1にあたるマックバーニー点がこれである。虫垂の基部に対応する圧痛点であり、正答となる。
✗ 2. 誤り
2
「右上前腸骨棘と臍を結ぶ線の外側1/3」という虫垂基部の投影点の条件を満たさない。紛らわしいのがランツ点で、左右の上前腸骨棘を結ぶ線の右3分の1に位置し、基部よりも虫垂の先端側の圧痛点として用いられる。
✗ 3. 誤り
3
これも虫垂基部の投影点という条件に当てはまらない。混同しやすい圧痛点にキュンメル点があり、臍の右斜め下1〜2cmにとる点で、マックバーニー点とは基準線が異なる。
✗ 4. 誤り
4
虫垂基部を反映する点ではない。腹壁上の他の領域では、右上腹部(右季肋部)は胆嚢や肝臓、心窩部は胃・十二指腸の投影域であり、そこに限局する圧痛は虫垂炎とは別の疾患を示唆する。
ポイント
  • マックバーニー点=右上前腸骨棘と臍を結ぶ線の外側1/3。虫垂基部に対応
  • ランツ点=左右の上前腸骨棘を結ぶ線の右1/3。虫垂先端側の圧痛点
  • キュンメル点=臍の右斜め下1〜2cm
  • 虫垂炎の痛みは心窩部〜臍周囲から右下腹部へ移動し、圧痛が限局する
  • 反跳痛・筋性防御・発熱を伴えば施術せず、速やかに医療機関へ紹介する
比較表
圧痛点位置のとり方意味
マックバーニー点右上前腸骨棘と臍を結ぶ線の外側1/3虫垂基部の投影点
ランツ点左右の上前腸骨棘を結ぶ線の右1/3虫垂先端側の圧痛点
キュンメル点臍の右斜め下1〜2cm虫垂炎で圧痛が出る点の一つ
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