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理由で解く 柔道整復師

QJ31P005 衛生学・公衆衛生学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問5
問題
気分障害に分類されるのはどれか。
選択肢
1 うつ病
2 過食症
3 認知症
4 統合失調症
解答
正解1(うつ病)
解説

気分(感情)障害はうつ病と双極性障害を指すカテゴリーです。選択肢のうち該当するのはうつ病です。

ICD-10の「精神および行動の障害」では、気分(感情)障害はF30〜F39に置かれ、躁病エピソード、双極性感情障害、うつ病エピソード、反復性うつ病性障害、持続性気分障害などが含まれます。これらに共通するのは、気分の高揚または低下が中心症状であり、それに伴って活動性が変化する点です。うつ病では抑うつ気分・興味と喜びの喪失・易疲労感を主症状とし、睡眠障害(とくに早朝覚醒)、食欲低下、日内変動(朝に調子が悪い)、自責感、思考制止、希死念慮などを伴います。ほかの選択肢はそれぞれ別のカテゴリーに属するので、「中心になっている症状は何か」で振り分けるのが確実です。気分の上下なら気分障害、幻覚・妄想なら統合失調症、知的機能の持続的低下なら認知症、食行動の異常なら摂食障害、という対応で整理しましょう。

✓ 1. 正しい
うつ病
抑うつ気分と興味・喜びの喪失を核とする、気分障害の代表です。経過中に躁のエピソードが現れれば双極性障害となり、これも同じ気分障害の枠に入ります。
✗ 2. 誤り
過食症
神経性過食症は摂食障害であり、ICD-10ではF50「生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群」に分類されます。むちゃ食いと自己誘発性嘔吐などの代償行動、体重・体型への過度のとらわれが中心で、気分の変動が主体ではありません。
✗ 3. 誤り
認知症
いったん獲得された知的機能が脳の器質的変化によって持続的に低下する状態で、F00〜F09の「症状性を含む器質性精神障害」に分類されます。高齢者ではうつ病による認知機能低下(仮性認知症)との鑑別が課題になりますが、分類上は別群です。
✗ 4. 誤り
統合失調症
幻覚・妄想などの陽性症状と、感情鈍麻・意欲低下・社会的引きこもりなどの陰性症状を特徴とし、F20〜F29に分類されます。思春期から青年期の発症が多く、気分の高低が中心の病態ではありません。
ポイント
  • 気分(感情)障害=うつ病+双極性障害。ICD-10ではF30〜F39
  • ICD-10の大枠:F0器質性、F1精神作用物質、F2統合失調症圏、F3気分障害、F4神経症性・ストレス関連、F5摂食・睡眠など生理的障害、F6パーソナリティ、F7知的障害、F8発達障害、F9小児期発症
  • うつ病の主症状は抑うつ気分・興味と喜びの喪失・易疲労感。早朝覚醒と日内変動(朝に悪い)が特徴的
  • うつ病は自殺の主要な背景であり、希死念慮の有無を確認して速やかに精神科へつなぐ
  • 柔道整復師の現場では、原因のはっきりしない身体愁訴(不定愁訴・慢性疼痛)の背後にうつが隠れていることがあるため、経過が長引く例では医療機関への紹介を検討する
比較表
疾患ICD-10の分類中心となる症状
うつ病F3 気分(感情)障害抑うつ気分、興味・喜びの喪失、易疲労感
過食症F5 生理的障害・身体的要因に関連した行動症候群(摂食障害)むちゃ食いと代償行動、体重・体型へのとらわれ
認知症F0 症状性を含む器質性精神障害記憶障害を含む知的機能の持続的低下
統合失調症F2 統合失調症、統合失調型障害および妄想性障害幻覚・妄想(陽性症状)、感情鈍麻・意欲低下・社会的引きこもり(陰性症状)
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