学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §11 骨の生理 / QJ30A093

理由で解く 柔道整復師

QJ30A093 生理学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問93
問題
成人のカルシウムで正しいのはどれか。
選択肢
1 総量は約100gである。
2 99%は骨組織に含まれる。
3 血中レベルは肝機能不全で増大する。
4 血中では大部分が蛋白質に結合している。
解答
正解2(99%は骨組織に含まれる。)
解説

成人の体内カルシウムは約 1 kg あり、そのおよそ 99% が骨と歯に蓄えられています。したがって正しいのは 2 です。

骨のカルシウムはヒドロキシアパタイトとして沈着し、体を支える構造材であると同時に、血中濃度を保つための巨大な貯蔵庫として働きます。残り約 1% が細胞内と細胞外液に分布し、血清カルシウム濃度はおよそ 8.5~10.4 mg/dL の狭い範囲に保たれます。血中では約半分が生理活性をもつ遊離イオン型、約 4 割がアルブミンなどの蛋白と結合し、残りが重炭酸やクエン酸との複合体という内訳です。この調節を担うのが副甲状腺ホルモン(骨吸収と腎での再吸収を促し上げる)、活性型ビタミン D(腸管吸収を促し上げる)、カルシトニン(骨吸収を抑えて下げる)です。低アルブミン血症では総カルシウムが見かけ上下がるためアルブミン値で補正して評価します。

✓ 2. 正しい
99%は骨組織に含まれる。
体内カルシウムの約 99% が骨・歯に、残り約 1% が細胞内と細胞外液に存在します。骨は支持組織であると同時にカルシウムの貯蔵庫でもあると理解しておきましょう。
✗ 1. 誤り
総量は約100gである。
成人の体内カルシウム総量は約 1000 g(およそ 1 kg)で、桁が一つ違います。体重の約 1.5~2% を占める、生体で最も多いミネラルです。
✗ 3. 誤り
血中レベルは肝機能不全で増大する。
肝機能不全ではアルブミンの合成が落ちるため、蛋白結合分が減って総カルシウムはむしろ低下しやすくなります。血中カルシウムを上げるのは副甲状腺機能亢進症、活性型ビタミン D 過剰、悪性腫瘍などです。
✗ 4. 誤り
血中では大部分が蛋白質に結合している。
蛋白(主にアルブミン)と結合しているのは約 4 割で、およそ半分は遊離イオン型として存在します。「大部分」とまでは言えず、生理作用を担うのはこの遊離イオン型です。
ポイント
  • 成人の体内カルシウム総量は約 1 kg。約 99% が骨・歯にある。
  • 血清カルシウムは約 8.5~10.4 mg/dL に厳密に保たれる。
  • 血中の内訳は遊離イオン型が約 50%、蛋白結合が約 40%、複合体が約 10%。
  • 生理作用(筋収縮、神経伝達、凝固)を担うのは遊離イオン型。
  • 低アルブミン血症では総カルシウムが下がるので、補正して評価する。
比較表
血中カルシウムの分画およその割合特徴
遊離イオン型(Ca²⁺)約 50%生理活性をもつ。筋収縮・神経伝達・血液凝固に関与
蛋白結合型約 40%主にアルブミンと結合。アルブミン低下で総 Ca が見かけ上低下
複合体型約 10%重炭酸・クエン酸・リン酸などと結合
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