学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §2 血液 / QJ30A091

理由で解く 柔道整復師

QJ30A091 生理学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問91
問題
線維素溶解現象で分解されるのはどれか。
選択肢
1 グロブリン
2 トロンビン
3 フィブリン
4 プラスミン
解答
正解3(フィブリン)
解説

「線維素」とはフィブリンの日本語名です。線維素溶解(線溶)はプラスミンがフィブリンを分解して血栓を溶かす仕組みなので、分解されるのは 3 のフィブリンです。

止血では、まず血小板血栓ができ、続いて凝固カスケードによりプロトロンビンからトロンビンが生じ、トロンビンがフィブリノゲンをフィブリンに変えて網を張ります。この網は第 XIII 因子で架橋され安定化フィブリンになります。血管が修復されると、組織プラスミノゲンアクチベータ(t-PA)やウロキナーゼがプラスミノゲンをプラスミンに変え、プラスミンがフィブリンを切断して不要になった血栓を溶かします。このとき生じる分解産物が FDP で、架橋部分に由来する D-ダイマーは血栓症の指標として測定されます。線溶系はプラスミン(切る側=酵素)とフィブリン(切られる側=基質)の関係で押さえましょう。トロンビンも切る側ですが凝固系の酵素なので、線溶で分解される側ではありません。

✓ 3. 正しい
フィブリン
線維素=フィブリンであり、プラスミンによって分解される基質そのものです。分解産物の FDP・D-ダイマーは線溶が働いた証拠になります。
✗ 1. 誤り
グロブリン
血漿蛋白の一群を指す総称(α・β・γグロブリン)で、γグロブリンは免疫グロブリンにあたります。線溶で標的とされる基質ではありません。
✗ 2. 誤り
トロンビン
凝固側で働く酵素で、フィブリノゲンをフィブリンへ変換します。線溶で分解される側ではなく、血栓を作る側に位置します。
✗ 4. 誤り
プラスミン
フィブリンを分解する酵素そのもの、つまり「分解される側」ではなく「分解する側」です。前駆体はプラスミノゲンで、t-PA によって活性化されます。
ポイント
  • 線維素=フィブリン。線維素溶解=フィブリンを溶かすこと。
  • 凝固:プロトロンビン → トロンビン → フィブリノゲンをフィブリンへ。
  • 線溶:プラスミノゲン →(t-PA・ウロキナーゼ)→ プラスミン → フィブリンを分解。
  • 分解産物が FDP、架橋フィブリン由来が D-ダイマー(血栓症の指標)。
  • 「-ゲン」「プロ-」が付くのは前駆体(フィブリノゲン・プラスミノゲン・プロトロンビン)。そこから生じるのがフィブリン・プラスミン・トロンビンで、このうち酵素はプラスミンとトロンビン、分解される基質はフィブリン。
比較表
凝固系線溶系
前駆体プロトロンビン/フィブリノゲンプラスミノゲン
活性型酵素トロンビンプラスミン
作用フィブリンを作るフィブリンを分解する
産物安定化フィブリンFDP・D-ダイマー
活性化因子組織因子・第 XII 因子などt-PA・ウロキナーゼ
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。