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理由で解く 柔道整復師

QJ30A079 解剖学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問79
問題
肺尖の高さはどこか。
選択肢
1 鎖骨の頭側
2 胸鎖関節
3 胸鎖関節と胸骨角の間
4 胸骨角
解答
正解1(鎖骨の頭側)
解説

肺の上端である肺尖は鎖骨より頭側にあり、鎖骨内側1/3の上方およそ2〜3cmまで達する。

胸郭上口は前方が低く後方が高い斜めの面をなすため、肺の上端とそれを包む胸膜頂は第1肋骨の前端を越えて頸部へ入り込む。体表では鎖骨内側1/3の上方2〜3cm、鎖骨上窩の深部に相当し、その前上方を鎖骨下動脈と腕神経叢が走る。この位置関係から、鎖骨上部の刺創や穿刺、頸部の強い外力では気胸をきたす可能性がある。頸部・鎖骨上窩に触れる手技では肺尖が浅い位置にあることを前提に圧の方向と強さを加減し、施術中や施術後に突然の胸痛・呼吸困難・乾性咳嗽が現れた場合は速やかに医療機関の受診をすすめる。なお胸鎖関節は鎖骨内側端の高さ、胸骨角は第2肋骨が付着する高さで、気管分岐部・大動脈弓(第4/第5胸椎の間)に相当し、いずれも肺尖より下方の指標である。

✓ 1. 正しい
鎖骨の頭側
肺尖と胸膜頂は第1肋骨前端を越えて頸部へ突出し、鎖骨内側1/3の上方約2〜3cmに達する。鎖骨より頭側という記述が正しい。
✗ 2. 誤り
胸鎖関節
胸鎖関節は鎖骨内側端と胸骨柄がつくる関節で、鎖骨と同じ高さの指標である。肺尖はこれより数cm上方にあるため、高さが合わない。
✗ 3. 誤り
胸鎖関節と胸骨角の間
この範囲は胸骨柄の高さに相当し、肺尖よりさらに下方である。ここには腕頭静脈や大血管の起始部が位置する。
✗ 4. 誤り
胸骨角
胸骨角は第2肋骨が付着し、第4/第5胸椎の間、気管分岐部や大動脈弓の高さに相当する指標で、肺尖よりかなり下方にある。
ポイント
  • 肺尖・胸膜頂は鎖骨内側1/3の上方2〜3cm、第1肋骨前端より頭側にある。
  • 鎖骨上窩の深部には肺尖・鎖骨下動脈・腕神経叢が集まる。この重なりが気胸や神経症状の解剖学的背景。
  • 胸骨角は第2肋骨・第4/第5胸椎間・気管分岐部・大動脈弓の高さ。肋骨を数える起点として使う。
  • 肺の下界は鎖骨中線で第6肋骨、中腋窩線で第8肋骨、肩甲線で第10肋骨。胸膜下界はそれぞれ2肋骨分下と覚える。
  • 鎖骨上窩に手を入れる手技では肺尖が浅いことを踏まえて圧を加減し、突然の胸痛・呼吸困難が出たら施術を中止して医療機関受診をすすめる。
比較表
指標高さ・位置関連する構造
肺尖・胸膜頂鎖骨内側1/3の上方2〜3cm鎖骨下動脈・腕神経叢が前上方を走る
胸鎖関節鎖骨内側端・胸骨柄上部肺尖より下方
胸骨角第2肋骨付着部、第4/第5胸椎間気管分岐部・大動脈弓
肺の下界鎖骨中線=第6肋骨/中腋窩線=第8肋骨/肩甲線=第10肋骨胸膜下界はそれぞれ2肋骨分下
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