学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §13 疾患別各論 四肢循環障害 / QJ29P061

理由で解く 柔道整復師

QJ29P061 整形外科学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問61
問題
静脈瘤で正しいのはどれか。
選択肢
1 男性に多い。
2 立位で消失する。
3 上肢に多く発生する。
4 表在静脈に多く発生する。
解答
正解4(表在静脈に多く発生する。)
解説

静脈瘤は下肢の表在(皮下)静脈に好発します。正しいのは4です。

静脈瘤は、静脈弁の逆流防止機能が壊れて血液がうっ滞し、静脈が拡張・蛇行したものです。立位では足元の静脈にかかる静水圧が最も高くなるため、重力の影響を強く受ける下肢に生じます。なかでも筋膜より浅い層を走る大伏在静脈・小伏在静脈とその分枝は、周囲の筋によるポンプ作用(筋ポンプ)の助けを受けにくく、拡張しやすいのが特徴です。長時間の立ち仕事、妊娠・出産、加齢、家族歴が危険因子で、女性に多くみられます。だるさ、こむら返り、夕方の浮腫が主な症状で、進行すると色素沈着やうっ滞性皮膚炎、潰瘍に至ります。対応としては弾性ストッキングによる圧迫、休憩時の下肢挙上、ふくらはぎを使う運動で筋ポンプを働かせることが基本で、皮膚症状が出ている場合や急な片側の腫脹・疼痛がある場合は血管外科への紹介を検討します。

✓ 4. 正しい
表在静脈に多く発生する。
筋膜より浅い皮下を走る大伏在静脈・小伏在静脈とその分枝に好発します。周囲の筋に囲まれていないため筋ポンプの支えを受けにくく、弁不全が起きると容易に拡張・蛇行します。
✗ 1. 誤り
男性に多い。
実際には女性に多くみられます。妊娠・出産による骨盤内の静脈圧上昇や女性ホルモンによる静脈壁の弛緩、立ち仕事の影響が重なるためです。
✗ 2. 誤り
立位で消失する。
逆で、立位では静水圧が上がって怒張がはっきりし、臥位や下肢挙上で血液が戻ることで目立たなくなります。したがって視診・触診は立位で行うのが原則です。
✗ 3. 誤り
上肢に多く発生する。
下肢に多く発生します。上肢は心臓との高低差が小さく静水圧の負荷が軽いため、静脈瘤はまれです。
ポイント
  • 静脈弁の逆流防止機能の破綻+重力による静水圧=下肢の表在静脈に好発。
  • 立位で怒張し、臥位・下肢挙上で消失する。診察は必ず立位で。
  • 女性、立ち仕事、妊娠・出産歴、加齢、家族歴が危険因子。
  • だるさ・こむら返り・浮腫から、進行すると色素沈着・うっ滞性潰瘍へ。
  • 弾性ストッキング、下肢挙上、下腿の運動で筋ポンプを働かせる。皮膚障害や急な片側腫脹があれば血管外科へ紹介する。
比較表
比べる点下肢静脈瘤(表在静脈)深部静脈血栓症
部位皮下の大伏在・小伏在静脈筋膜より深い深部静脈
見え方立位で怒張、臥位・挙上で消失外からは見えない。急な片側の腫脹・熱感・疼痛
背景女性、立ち仕事、妊娠歴、加齢長期臥床、術後、長時間の同一姿勢
対応圧迫療法、下肢挙上、下腿の運動肺塞栓の危険があり緊急。ただちに医療機関へ
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