学習トップ理由で解く 柔道整復師衛生学・公衆衛生学 ▸ §1 健康の保持増進と疾病予防 / QJ29P005

理由で解く 柔道整復師

QJ29P005 衛生学・公衆衛生学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問5
問題
虚血性心疾患の四大リスク要因で誤っているのはどれか。
選択肢
1 肥満
2 高血圧症
3 高尿酸血症
4 脂質異常症
解答
正解3(高尿酸血症)
解説

虚血性心疾患の主要な危険因子は、冠動脈の動脈硬化を直接進める因子です。高尿酸血症はここに含まれないため、3が答えになります。

虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)は冠動脈の粥状硬化が基盤にあります。危険因子は機序でつながっていて、脂質異常症(とくにLDLコレステロール高値)が血管壁へのコレステロール沈着を進め、高血圧が血管内皮に持続的な圧負荷をかけて内皮を傷つけ、喫煙が内皮障害・血管攣縮・血栓形成を促し、糖尿病や内臓脂肪型肥満がインスリン抵抗性を介して脂質異常や高血圧を連鎖的に引き起こします。いわゆる「四大危険因子」としてどれを数えるかは成書によって多少異なりますが、いずれもこの動脈硬化に直結する因子が挙げられ、高尿酸血症は入りません。高尿酸血症は痛風関節炎・尿路結石・腎障害の危険因子で、飲酒や肥満を介して他の危険因子と併存しやすいものの、独立した主要な冠危険因子としては扱われません。予防では、まず禁煙と、血圧・脂質・血糖・体重の管理を組み合わせて指導します。

✓ 3. これが答え(四大リスク要因に含まれない)
高尿酸血症
高尿酸血症が主に問題になるのは、関節内に尿酸塩結晶が析出して起こる痛風発作、尿路結石、腎障害です。生活習慣(過食・飲酒・肥満)を通じて他の危険因子と一緒に現れやすいものの、虚血性心疾患の主要危険因子として数えられるものではありません。
✗ 1. 答えではない(危険因子に含まれる)
肥満
内臓脂肪の蓄積はインスリン抵抗性を高め、脂質異常症・高血圧・耐糖能異常を伴いやすくなります。メタボリックシンドロームの中心概念で、虚血性心疾患の危険因子です。
✗ 2. 答えではない(危険因子に含まれる)
高血圧症
血管内皮への持続的な圧負荷が動脈硬化を進めるうえ、後負荷の増大で心筋の酸素需要も増やします。脳血管疾患と並ぶ最重要の危険因子です。
✗ 4. 答えではない(危険因子に含まれる)
脂質異常症
LDLコレステロール高値・HDLコレステロール低値は粥状硬化巣(プラーク)の形成を直接進めます。プラークの破綻と血栓形成が心筋梗塞の引き金になります。
ポイント
  • 虚血性心疾患=冠動脈の粥状硬化が基盤。「動脈硬化を進める因子か」で判断する。
  • 主要危険因子は高血圧・脂質異常症・喫煙・糖尿病・肥満(加えて加齢、男性、家族歴)。
  • 高尿酸血症が起こすのは痛風・尿路結石・腎障害。冠危険因子としては数えない。
  • メタボリックシンドロームは内臓脂肪蓄積を必須とし、血圧・脂質・血糖の異常を組み合わせて判定する。
  • 予防指導は禁煙・減塩・体重管理・運動を組み合わせて行う。
比較表
因子主に引き起こす病態虚血性心疾患の主要危険因子か
肥満(内臓脂肪型)インスリン抵抗性→脂質異常・高血圧・耐糖能異常含まれる
高血圧症内皮障害、動脈硬化、心肥大、脳血管疾患含まれる
脂質異常症粥状硬化巣の形成含まれる
喫煙内皮障害、血管攣縮、血栓形成含まれる
高尿酸血症痛風関節炎、尿路結石、腎障害含まれない(本問の答え)
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