学習トップ理由で解く 柔道整復師衛生学・公衆衛生学 ▸ §1 健康の保持増進と疾病予防 / QJ28P002

理由で解く 柔道整復師

QJ28P002 衛生学・公衆衛生学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午後 問2
問題
健康増進法との関連性が低いのはどれか。
選択肢
1 健康日本21
2 国民健康・栄養調査
3 受動喫煙対策
4 長寿医療制度
解答
正解4(長寿医療制度)
解説

健康増進法は国民の健康づくりの基本を定めた法律で、健康日本21・国民健康・栄養調査・受動喫煙対策はいずれもこの法律が根拠である。長寿医療制度(後期高齢者医療制度)は高齢者医療確保法に基づく医療保険制度なので、関連性が最も低い4が答えとなる。

健康増進法は2002年(平成14年)に栄養改善法を引き継ぐ形で制定され、翌年施行された。その柱は、(1)厚生労働大臣が定める基本方針=健康日本21、(2)国民健康・栄養調査の実施、(3)受動喫煙の防止、(4)特定給食施設の栄養管理、(5)特別用途表示などである。これに対し長寿医療制度は、2008年に老人保健法を全面改正した「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、75歳以上(一定の障害があれば65歳以上)を独立した保険制度に位置づけたものである。同法には40〜74歳を対象とする特定健康診査・特定保健指導も規定されている。衛生法規の問題は「どの法律に何が書いてあるか」を対応表にして覚えると、この種の問いで迷わなくなる。

✓ 4. 関連性が低い(これが答え)
長寿医療制度
長寿医療制度=後期高齢者医療制度は「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づく医療保険制度で、財源と給付の仕組みを定めるものである。健康増進法の条文には登場しない。高齢者医療確保法にひも付くものとして、特定健康診査・特定保健指導(メタボリックシンドローム対策)も併せて整理しておきたい。
✗ 1. 関連が深い(答えではない)
健康日本21
健康増進法第7条に基づく「基本方針」として告示された国民健康づくり運動である。この設問が出題された時期には健康日本21(第二次、2013年度〜)が進行中で、健康寿命の延伸と健康格差の縮小を最上位の目標に掲げていた。
✗ 2. 関連が深い(答えではない)
国民健康・栄養調査
健康増進法第10条に基づき厚生労働大臣が毎年実施する調査で、身体状況・栄養摂取状況・生活習慣の3本立てで国民の健康状態を把握する。栄養改善法時代の「国民栄養調査」が、健康増進法の施行に伴って現在の名称と内容になった。
✗ 3. 関連が深い(答えではない)
受動喫煙対策
受動喫煙の防止は健康増進法に規定されている。2018年の法改正で施設の類型ごとの規制が定められ、学校・病院・行政機関などの第一種施設は原則敷地内禁煙、その他の多数の者が利用する施設も原則屋内禁煙とする仕組みが段階的に施行された。柔道整復師の施術所は、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の施術所とともに、病院・診療所・薬局等と同じ第一種施設に当たり、令和元年7月1日から原則敷地内禁煙である。第一種施設では喫煙専用室を設置できず、屋外に法令の要件を満たす特定屋外喫煙場所を設けた場合にのみ喫煙が認められ、禁煙である旨の標識掲示が必要となる。
ポイント
  • 健康増進法=健康日本21/国民健康・栄養調査/受動喫煙の防止/特定給食施設/特別用途表示。
  • 長寿医療制度(後期高齢者医療制度)と特定健診・特定保健指導=高齢者医療確保法。
  • 国民健康・栄養調査は毎年実施。旧称は国民栄養調査(栄養改善法)。
  • 健康日本21(第二次)の最上位目標は健康寿命の延伸と健康格差の縮小。
  • 受動喫煙対策は健康増進法。第一種施設(学校・病院・診療所・行政機関、および柔道整復師等の施術所)は原則敷地内禁煙で、喫煙専用室は設置できない。
比較表
法律主な内容
健康増進法健康日本21、国民健康・栄養調査、受動喫煙の防止、特定給食施設
高齢者医療確保法後期高齢者医療制度(長寿医療制度)、特定健診・特定保健指導
地域保健法保健所、市町村保健センター
介護保険法要介護認定、介護予防・日常生活支援総合事業
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