学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §11 体表解剖 / QJ28A080

理由で解く 柔道整復師

QJ28A080 解剖学

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問80
問題
手関節部の掌側尺側面で触れるのはどれか。
選択肢
1 舟状骨
2 月状骨
3 有頭骨
4 豆状骨
解答
正解4(豆状骨)
解説

手関節の掌側・尺側で皮下に触れる手根骨は豆状骨です。正答は4です。

豆状骨は手根骨近位列の最も尺側にあり、三角骨の掌側に重なるように位置する種子骨で、尺側手根屈筋腱の中に埋まっています。皮下のすぐ下にあって周囲を腱や筋に覆われないうえ、可動性があって母指と示指でつまむと左右に動かせるため、手根骨のなかでも最も触知しやすい骨です。豆状骨と有鉤骨鉤の間には豆鉤靱帯が張ってギヨン管(尺骨管)というトンネルをつくり、そこを尺骨神経と尺骨動脈が通ります。したがってこの部位の反復した圧迫は、小指側のしびれや手内在筋の筋力低下を招くことがあります。手根骨の触知は「橈側掌側=舟状骨結節・大菱形骨結節」「尺側掌側=豆状骨・有鉤骨鉤」「背側中央=月状骨・有頭骨」と面ごとに整理しておくと、臨床でもそのまま使えます。

✗ 1. 誤り
舟状骨
近位列の最も橈側にある骨です。背側では解剖学的嗅ぎタバコ入れの底として、掌側では母指球の基部にある舟状骨結節として触れます。触れるのは橈側であり、尺側ではありません。
✗ 2. 誤り
月状骨
近位列の中央にあり、手関節を掌屈させると手背の中央でわずかに触れます。掌側は屈筋腱と正中神経に覆われているため、掌側から直接触れる骨ではありません。
✗ 3. 誤り
有頭骨
手根骨で最も大きく、遠位列の中央にあります。手背の中央にできるくぼみとして背側から触れる骨で、掌側尺側の触知部位ではありません。
✓ 4. 正しい
豆状骨
手関節掌側の尺側、小指球の近位に皮下で触れます。尺側手根屈筋腱内の種子骨で、つまむと動かせるのが決め手です。
ポイント
  • 豆状骨は近位列で最も尺側、三角骨の掌側にのる種子骨。尺側手根屈筋腱の中にあり、動かせるのが特徴。
  • 触知部位を面で整理する。掌側橈側=舟状骨結節・大菱形骨結節、掌側尺側=豆状骨・有鉤骨鉤、背側=月状骨・有頭骨・三角骨。
  • 有鉤骨鉤は豆状骨より少し遠位かつ橈側にある。ゴルフや野球のグリップによる骨折が起こりうる部位。
  • 豆状骨と有鉤骨鉤の間がギヨン管。尺骨神経と尺骨動脈が通り、圧迫で小指側のしびれや手内在筋の脱力が出る。
  • 掌側尺側の圧痛やしびれを訴える患者では、豆状骨と有鉤骨鉤を骨指標にして圧痛点を特定し、手をついた既往や自転車のハンドル圧迫などの誘因を聴取したうえで、必要に応じて画像評価を受けられるよう医療機関に紹介する。
比較表
手根骨列・位置触れる面と目印
豆状骨近位列・最尺側掌側尺側の皮下。尺側手根屈筋腱内でつまむと動く
舟状骨近位列・最橈側背側は解剖学的嗅ぎタバコ入れの底、掌側は舟状骨結節
月状骨近位列・中央背側中央。手関節掌屈でわずかに触れる
三角骨近位列・尺側背側尺側。豆状骨の背側にある
有頭骨遠位列・中央手背中央のくぼみ
有鉤骨(鉤)遠位列・尺側掌側尺側、豆状骨のやや遠位・橈側
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