学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §26 膝関節側副靱帯損傷の診察 / QJ28A023

理由で解く 柔道整復師

QJ28A023 必修問題

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問23
問題
膝関節内側側副靱帯損傷の所見はどれか。
選択肢
1 軋轢音が著明である。
2 内側に限局した圧痛を認める。
3 嵌頓症状を認める。
4 内反動揺性が出現する。
解答
正解2(内側に限局した圧痛を認める。)
解説

膝関節内側側副靱帯(MCL)損傷では、靱帯の走行に一致して内側に限局した圧痛を認める。これが診断の出発点になる。

MCLは大腿骨内側上顆から脛骨内側面へ張り、膝の外反と下腿外旋を制動する。受傷機転は膝の外反+下腿外旋の強制で、接触プレーで膝の外側から力を受けた場合やスキーでの転倒が典型である。診察では大腿骨内側上顆付近、関節裂隙、脛骨付着部を順に押して圧痛の局在をとらえ、続いて外反ストレステストで動揺性の程度(I〜III度)を評価する。損傷部位が近位か遠位かで固定範囲の考え方も変わるため、圧痛点の高さを丁寧に記録しておくとよい。

✓ 2. 正しい
内側に限局した圧痛を認める。
損傷した靱帯そのものに一致した圧痛が出るため、内側の限局した圧痛はMCL損傷を示す基本所見である。
✗ 1. 誤り
軋轢音が著明である。
軋轢音(骨折端がこすれ合う音・感触)は骨折の固有症状であり、靱帯の損傷では生じない。著明な軋轢音があるなら骨折を疑う。
✗ 3. 誤り
嵌頓症状を認める。
嵌頓症状(ロッキング)は断裂した半月板や関節内遊離体が関節面に挟まり込んで膝が伸びきらなくなる所見で、半月板損傷を示唆する。
✗ 4. 誤り
内反動揺性が出現する。
内反動揺性は外側側副靱帯(LCL)が破綻したときに現れる。MCLが制動しているのは外反であり、MCL損傷では外反動揺性が出現する。
ポイント
  • MCLは大腿骨内側上顆〜脛骨内側面。膝の外反と下腿外旋を制動する。
  • 所見の中心は内側に限局した圧痛と、外反ストレステストでの外反動揺性。
  • 内反動揺性が出るのはLCL損傷。制動する方向と動揺が出る方向をセットで覚える。
  • 軋轢音は骨折、嵌頓症状(ロッキング)は半月板損傷を示唆する所見。
  • 圧痛点が大腿骨側か関節裂隙か脛骨側かを確認し、記録して経過観察に使う。
比較表
内側側副靱帯(MCL)外側側副靱帯(LCL)
制動する動き膝の外反・下腿外旋膝の内反
受傷機転外反+下腿外旋の強制内反の強制
圧痛の部位膝内側(内側上顆〜脛骨内側)膝外側(外側上顆〜腓骨頭)
誘発テスト外反ストレステスト内反ストレステスト
出現する動揺性外反動揺性内反動揺性
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