学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §21 肘内障の診察および整復 / QJ28A017

理由で解く 柔道整復師

QJ28A017 必修問題

出典:第28回柔道整復師国家試験(2020)午前 問17
問題
肘内障で正しいのはどれか。
選択肢
1 橈骨近位部に変形がみられる。
2 前腕回外強制で疼痛の増強がみられる。
3 腕尺関節に限局した圧痛がみられる。
4 肘関節部に腫脹がみられる。
解答
正解2(前腕回外強制で疼痛の増強がみられる。)
解説

肘内障は橈骨頭が輪状靱帯から亜脱臼した状態で、前腕を回外させようとすると疼痛が強まる。正答は2。

肘内障は幼小児が手を急に引っ張られた際に生じる。橈骨頭が輪状靱帯を滑り抜け、靱帯の一部が腕橈関節に挟まった状態になるのが病態である。子どもは前腕回内・肘軽度屈曲位で上肢を下げたまま動かそうとしないが、腫脹や変形はほとんど認められず、圧痛は橈骨頭部に限局する。回外させる動きは挟まった輪状靱帯を緊張させるため疼痛が増強し、逆にこの回外操作が整復にも用いられる。腫脹や変形が明らかな場合、受傷機転が合わない場合は骨折を疑い、整復操作を急がずに医療機関へ紹介する。

✓ 2. 正しい
前腕回外強制で疼痛の増強がみられる。
腕橈関節に挟まった輪状靱帯が緊張するため疼痛が強まる。診断の手がかりであると同時に、整復操作の要素にもなる動きである。
✗ 1. 誤り
橈骨近位部に変形がみられる。
亜脱臼であり外観上の変形は認めない。明らかな変形があるときは骨折や真の脱臼を疑う。
✗ 3. 誤り
腕尺関節に限局した圧痛がみられる。
圧痛は橈骨頭部(腕橈関節部)に限局する。腕尺関節ではなく、部位が異なる。
✗ 4. 誤り
肘関節部に腫脹がみられる。
腫脹はほとんどみられないのが特徴。腫脹が目立つときは骨折を念頭に置いて対応する。
ポイント
  • 肘内障は2〜6歳ごろに好発し、手を急に引かれて発生する。
  • 病態は橈骨頭の輪状靱帯からの亜脱臼(輪状靱帯の腕橈関節への介在)。
  • 肢位は前腕回内・肘軽度屈曲位。腫脹・変形はなく、圧痛は橈骨頭部に限局する。
  • 回外強制で疼痛が増強する。整復は回外(または回内)と屈曲を組み合わせて行い、直後から上肢を使い始めるかで確認する。
  • 腫脹・変形・強い圧痛があるとき、受傷機転が合わないときは骨折を疑い医療機関へ紹介する。
比較表
所見肘内障肘周辺骨折
腫脹ほとんどない明らかに認める
変形なしあることが多い
圧痛橈骨頭部に限局骨折部に限局し強い
受傷機転手を引っ張られた転倒・打撲など強い外力
対応徒手整復が可能固定のうえ医療機関へ紹介
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