学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §13 筋肉の機能 / QJ26A061

理由で解く 柔道整復師

QJ26A061 生理学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問61
問題
筋細胞でカルシウムイオンの貯蔵部はどれか。
選択肢
1
2 筋節
3 筋原線維
4 筋小胞体
解答
正解4(筋小胞体)
解説

筋細胞の中でカルシウムイオン(Ca²⁺)を蓄えているのは筋小胞体である。ここから放出されるCa²⁺が、電気的な興奮を実際の収縮に変換するスイッチになる。

筋小胞体は、一般の細胞にある滑面小胞体が筋細胞用に特殊化したもので、筋原線維を網目のように取り囲んでいる。両端のふくらんだ部分(終末槽)にはカルセクエストリンというCa²⁺結合蛋白があり、Ca²⁺を高い濃度で蓄えている。細胞膜を伝わってきた活動電位がT管(横行小管)を通って細胞の奥まで届くと、T管膜の電位センサーを介して筋小胞体のリアノジン受容体が開き、Ca²⁺が筋形質へ一気に放出される。放出されたCa²⁺がアクチンフィラメント上のトロポニンCに結合するとトロポミオシンの位置がずれ、ミオシン頭部がアクチンと結合できるようになって滑走が始まる(興奮収縮連関)。弛緩するときは筋小胞体膜のCa²⁺ポンプがATPを使ってCa²⁺を汲み戻す。つまり筋小胞体は貯蔵庫であると同時に、放出と回収の両方を担う調節装置だと覚えるとよい。

✗ 1. 誤り
DNAを保管し、mRNAへ転写する場である。骨格筋細胞は多核だが、Ca²⁺の貯蔵は核の仕事ではない。
✗ 2. 誤り
筋節
Z帯からZ帯までを指す収縮の構造単位(サルコメア)で、長さの単位という意味合いが強い。イオンを貯める区画ではない。
✗ 3. 誤り
筋原線維
アクチンとミオシンが規則正しく並んだ収縮装置そのもの。Ca²⁺を受け取って収縮する側であり、貯めておく側ではない。周囲を筋小胞体が取り巻いている関係をイメージしたい。
✓ 4. 正しい
筋小胞体
終末槽にCa²⁺を高濃度で貯蔵し、興奮が届くと放出、弛緩時にはポンプで回収する。Ca²⁺の貯蔵部として問われたらここを選ぶ。
ポイント
  • Ca²⁺の貯蔵部は筋小胞体(滑面小胞体が筋細胞で特殊化したもの)。終末槽にカルセクエストリンとともに蓄えられる。
  • 興奮収縮連関の流れ:活動電位→T管→筋小胞体からCa²⁺放出→トロポニンCに結合→トロポミオシンがずれる→ミオシンとアクチンが結合。
  • 弛緩はCa²⁺ポンプによる汲み戻しで起こり、ATPを消費する。弛緩にもエネルギーが要る点が問われやすい。
  • 筋節=構造単位、筋原線維=収縮装置、筋小胞体=Ca²⁺の貯蔵と調節、と役割で区別する。
  • T管は細胞膜が落ち込んだもので、興奮を細胞の深部へ伝える通路。貯蔵はしない。
比較表
構造実体主な役割Ca²⁺貯蔵
DNAを収める細胞小器官遺伝情報の保管と転写しない
筋節(サルコメア)Z帯〜Z帯の区画収縮の構造単位しない
筋原線維アクチン・ミオシンの束収縮装置(滑走)しない
筋小胞体滑面小胞体の特殊型Ca²⁺の貯蔵・放出・回収する(終末槽)
T管細胞膜の陥入興奮を深部へ伝えるしない
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