学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §11 体表解剖 / QJ26A060

理由で解く 柔道整復師

QJ26A060 解剖学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問60
問題
生体計測で誤っているのはどれか。
選択肢
1 上腕周径は上腕二頭筋筋腹最大隆起部の周径である。
2 前腕周径は前腕最大膨隆部の周径である。
3 大腿周径は大腿最大隆起部の周径である。
4 下腿周径は下腿最大膨隆部の周径である。
解答
正解3(大腿周径は大腿最大隆起部の周径である。)
解説

上腕・前腕・下腿の周径は最大膨隆(隆起)部で測りますが、大腿だけは膝蓋骨上縁から一定距離を上がった高さで測ります。したがって誤っているのは選択肢3です。

周径の計測は、左右差から筋の萎縮や腫脹の程度を読み取るために行うので、いつ誰が測っても同じ場所になることが条件になります。上腕・前腕・下腿は筋腹の膨らみがはっきりしているため「最大膨隆部」と決めれば再現できますが、大腿は筋腹がなだらかで最も太い場所が定めにくく、測るたびに位置がずれてしまいます。そこで大腿では膝蓋骨上縁を基準点とし、そこから5cm・10cm・15cmといった一定の距離を上がった高さで測り、記録には必ず基準からの距離を書き添えます。とくに膝関節の外傷や手術のあとは、内側広筋の萎縮を捉えるために膝蓋骨上縁に近い高さ(5cm上方など)を選びます。実施のときは、健側と患側を同じ肢位・同じ高さで測り、メジャーを締めすぎず皮膚に沿わせること、基準点を先に決めてから巻くことを守ると、経過を比べられる数値になります。

✓ 3. これが誤り(正答)
大腿周径は大腿最大隆起部の周径である。
大腿周径は最大隆起部では測りません。膝蓋骨上縁を基準として、そこから5cm・10cm・15cmなど一定距離を上方に取った高さで測り、記録には基準からの距離を必ず併記します。大腿は筋腹がなだらかで最大の位置を特定しにくく、再現性が保てないためです。
✗ 1. 記述として正しい(答えではない)
上腕周径は上腕二頭筋筋腹最大隆起部の周径である。
上腕周径は、肘を屈曲して力を入れた状態で上腕二頭筋の筋腹が最も膨らむところを測ります(安静時に伸展位で測る場合もあり、条件を記録に残します)。記述は正しいため、誤りを問うこの設問の答えにはなりません。
✗ 2. 記述として正しい(答えではない)
前腕周径は前腕最大膨隆部の周径である。
前腕周径は、肘に近い前腕近位の最も太い部分(最大膨隆部)で測ります。記述は正しいため、答えにはなりません。
✗ 4. 記述として正しい(答えではない)
下腿周径は下腿最大膨隆部の周径である。
下腿周径は、下腿三頭筋(腓腹筋)の腹が最も太くなる部分で測ります。記述は正しいため、答えにはなりません。
ポイント
  • 上腕・前腕・下腿の周径=最大膨隆(隆起)部で測る。
  • 大腿周径だけは膝蓋骨上縁から一定距離(5・10・15cmなど)上方で測り、距離を必ず併記する。
  • 大腿が例外なのは、筋腹がなだらかで最大の位置を再現できないため。
  • 目的は左右差の把握なので、健側と患側を同じ高さ・同じ肢位・同じ張力で測る。
  • 膝の外傷後は膝蓋骨上縁の近く(5cm上方など)を選ぶと内側広筋の萎縮を捉えやすい。
比較表
計測部位測る場所着眼点
上腕周径上腕二頭筋の筋腹の最大隆起部肘屈曲・力を入れた状態か、伸展安静位かを記録する
前腕周径前腕の最大膨隆部(前腕近位)屈筋群の張り具合を反映
大腿周径膝蓋骨上縁から5・10・15cmなど一定距離の上方 ※最大隆起部ではない基準点方式。距離の併記が必須
下腿周径下腿の最大膨隆部(下腿三頭筋の腹)腓腹筋の萎縮・浮腫の評価に用いる
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