学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ25P099

理由で解く 柔道整復師

QJ25P099 柔道整復理論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問99
問題
下腿骨疲労骨折で難治なのはどれか。
図
選択肢
1 a
2 b
3 c
4 d
解答
正解3
解説

下腿骨の疲労骨折で難治なのは、脛骨骨幹部中央1/3の前方皮質に生じるいわゆる跳躍型である。正答はc。

脛骨の疲労骨折は発生部位によって性格が大きく異なる。長距離走などで生じる疾走型は脛骨の近位1/3または遠位1/3の後内側にでき、この面には荷重時に圧迫力が加わり血行も比較的保たれているため、運動量の調整と保存療法で癒合が期待できる。これに対し、ジャンプ動作の繰り返しで生じる跳躍型は脛骨骨幹部中央1/3の前方(前方皮質)にでき、この部位は骨を引き離す方向の張力がかかるうえ、皮質が厚く血行に乏しい。そのため癒合が遅れて偽関節化しやすく、画像でも前方皮質を横切る透亮線が長く残る。なお腓骨に生じる疲労骨折は荷重負担が小さいこともあって癒合は比較的良好で、難治の代表として挙げられるものではない。長期の運動休止でも改善しない例では髄内釘や骨移植などの手術が検討されるため、経過が思わしくない場合は早めに整形外科での評価につなぐ。

✓ 3. 正しい(難治)
c
本問は下腿骨のどの部位の疲労骨折かを選ぶ形式で、正答はc。難治となるのは脛骨骨幹部中央1/3の前方皮質に生じる跳躍型であり、張力側に位置し血行に乏しいことが遷延癒合・偽関節の理由である。
✗ 1. 該当しない
a
難治性かどうかの分かれ目は「脛骨骨幹部中央1/3の前方皮質か否か」の一点であり、本肢はその条件に当たらない。それ以外の部位に生じたものは、原因となる動作の中止と運動量の管理で癒合が期待できる。
✗ 2. 該当しない
b
本肢も難治部位の条件に当たらない。下腿骨の疲労骨折でも、脛骨骨幹部中央1/3の前方皮質以外に生じたものは保存療法で癒合が期待できる(部位ごとの性質は比較表を参照)。
✗ 4. 該当しない
d
本肢も難治部位の条件に当たらない。まずは疼痛の原因となる動作を休止し、フォームや練習量、シューズ・路面などの環境要因を見直すことが再発予防につながる。
ポイント
  • 難治なのは脛骨骨幹部中央1/3の前方皮質に生じる跳躍型。張力側かつ血行に乏しい。
  • 疾走型は脛骨近位1/3または遠位1/3の後内側。圧迫側で癒合しやすい。
  • 跳躍型はバレーボール・バスケットボールなどジャンプ動作の反復で発生する。
  • 腓骨の疲労骨折は荷重負担が小さく、癒合は比較的良好。
  • 画像で前方皮質を横切る透亮線が残る例は偽関節化のリスクが高く、保存療法で改善しない例は手術(髄内釘・骨移植)が検討されるため整形外科へつなぐ。
比較表
部位力学的性質予後
跳躍型脛骨骨幹部中央1/3の前方皮質張力(引き離す力)がかかる側、血行に乏しい難治。遷延癒合・偽関節になりやすい
疾走型脛骨近位1/3または遠位1/3の後内側圧迫力がかかる側、血行が比較的良い運動量の調整と保存療法で癒合しやすい
腓骨の疲労骨折腓骨(遠位部など)荷重負担が小さい比較的良好
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