学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §7 診察各論 生命徴候 / QJ25P032

理由で解く 柔道整復師

QJ25P032 一般臨床医学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問32
問題
脈拍で正しいのはどれか。
選択肢
1 貧血では徐脈となる。
2 大動脈弁閉鎖不全症では遅脈となる。
3 発熱時には速脈となる。
4 甲状腺機能低下症では頻脈となる。
解答
正解3(発熱時には速脈となる。)
解説

発熱時は代謝亢進による頻脈に加え、末梢血管拡張で脈圧が広がるため、立ち上がりの急峻な速脈となる。正答は3。

脈拍の異常は「速さ(回数)」と「波形(立ち上がりと大きさ)」を分けて考えると混乱しない。回数の異常が頻脈・徐脈、波形の異常が速脈・遅脈で、速脈は脈圧が大きく波の立ち上がりが急な脈、遅脈は立ち上がりが緩やかで小さい脈を指す。発熱では体温1℃上昇あたり脈拍がおよそ8〜10回/分増え、同時に放熱のため末梢血管が拡張して拡張期圧が下がるので脈圧が広がり、速脈となる。貧血では酸素運搬能の低下を心拍出量の増加で補うため頻脈になり、甲状腺機能亢進症でも代謝亢進により頻脈、逆に甲状腺機能低下症では代謝が落ちて徐脈となる。弁膜症では、大動脈弁閉鎖不全症は拡張期に血液が左室へ逆流して拡張期圧が急落するため速脈(大脈・速脈)、大動脈弁狭窄症は狭い弁口を通るため駆出が遅れて遅脈(小脈・遅脈)となる。

✓ 3. 正しい
発熱時には速脈となる。
発熱では代謝亢進と交感神経緊張で心拍数が増え、放熱のための末梢血管拡張により拡張期圧が低下して脈圧が広がる。その結果、立ち上がりが急で振幅の大きい速脈となる。
✗ 1. 誤り
貧血では徐脈となる。
ヘモグロビン減少による酸素運搬能の低下を心拍出量の増加で代償するため、頻脈となる。動悸・息切れ・易疲労感を伴う。
✗ 2. 誤り
大動脈弁閉鎖不全症では遅脈となる。
拡張期に大動脈から左室へ血液が逆流して拡張期圧が急落するため脈圧が大きくなり、速脈(水槌脈、コリガン脈)となる。遅脈を示すのは大動脈弁狭窄症である。
✗ 4. 誤り
甲状腺機能低下症では頻脈となる。
甲状腺ホルモンの不足で全身の代謝が低下するため徐脈となる。寒がり、体重増加、便秘、無気力、粘液水腫などを伴う。頻脈を示すのは甲状腺機能亢進症である。
ポイント
  • 頻脈・徐脈は回数の異常、速脈・遅脈は波形(立ち上がりと振幅)の異常。区別して覚える。
  • 発熱=頻脈かつ速脈。体温1℃上昇で脈拍は約8〜10回/分増加する。
  • 速脈=大動脈弁閉鎖不全症(脈圧増大)、遅脈=大動脈弁狭窄症(駆出遅延)。
  • 貧血・甲状腺機能亢進症・発熱・心不全=頻脈。
  • 甲状腺機能低下症・頭蓋内圧亢進・房室ブロック=徐脈。
比較表
脈の異常特徴代表的な原因
頻脈脈拍数100回/分以上発熱、貧血、甲状腺機能亢進症、心不全
徐脈脈拍数60回/分未満甲状腺機能低下症、房室ブロック、頭蓋内圧亢進
速脈(大脈)立ち上がりが急峻で脈圧大大動脈弁閉鎖不全症、発熱、甲状腺機能亢進症
遅脈(小脈)立ち上がりが緩徐で脈圧小大動脈弁狭窄症
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