学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §4 リハビリテーション医学の評価と診断 / QJ25P014

理由で解く 柔道整復師

QJ25P014 リハビリテーション医学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問14
問題
日本リハビリテーション医学会および日本整形外科学会が制定した関節可動域測定法で、右股関節の関節可動域を測定する際に右膝関節 90度屈曲位で計測するのはどれか。
選択肢
1 伸展
2 外転
3 内転
4 外旋
解答
正解4(外旋)
解説

股関節の回旋(外旋・内旋)は、股関節90度屈曲・膝関節90度屈曲位で測定します。膝を曲げるのは、下腿を回旋量の指標(移動軸)として使うためです。

日本リハビリテーション医学会・日本整形外科学会のROM測定法では、股関節外旋・内旋の基本軸は膝蓋骨より下ろした垂直線、移動軸は下腿中央線(膝蓋骨中心と足関節内外果中央を結ぶ線)と定められ、背臥位で股関節・膝関節をともに90度屈曲した肢位で測ります(椅子座位で下腿を下垂させて行う方法もあります)。下腿を回旋の「針」に見立てるため、膝が伸びていると回旋角度を読み取れません。一方、伸展は腹臥位・膝伸展位で行うのが原則で、これは膝を屈曲させると二関節筋である大腿直筋が緊張し、股関節伸展が見かけ上制限されてしまうためです。外転・内転は背臥位で下肢を伸展位・中間位とし、骨盤を固定して測定します(内転では反対側の下肢を挙上し、その下を通して測ります)。ここで注意したいのが屈曲で、股関節屈曲も背臥位・膝屈曲位で行いますが、これはハムストリングスの緊張で屈曲が頭打ちになるのを避けるためであって、膝を90度と角度まで規定するものではありません。膝の角度を90度と明示して指定するのは回旋(外旋・内旋)だけで、そこでは下腿そのものを移動軸=回旋の指標に使います。つまり同じ「膝屈曲位」でも、屈曲は緊張回避が目的、回旋は角度計測の基準が目的という違いがあり、これが本問の判別軸です。「膝を曲げる/伸ばす」の指定には必ず理由があり、その理由まで押さえると丸暗記が不要になります。

✓ 4. 正しい
外旋
股関節を90度屈曲し、膝関節も90度屈曲させた肢位で測定します。下腿中央線が移動軸となるため、膝を90度に屈曲した肢位が必須です(参考可動域45度)。内旋も同じ肢位で測ります。
✗ 1. 誤り
伸展
腹臥位で膝関節を伸展位にして測定します。膝を屈曲させると大腿直筋が緊張して股関節伸展を制限するため、あえて伸ばした肢位で行います(参考可動域15度)。
✗ 2. 誤り
外転
背臥位で下肢を伸展位・中間位とし、骨盤を固定して測定します。膝を90度屈曲させる指定はありません(参考可動域45度)。
✗ 3. 誤り
内転
背臥位・下肢伸展位で、反対側の下肢を挙上してその下を通す形で測定します。こちらも膝屈曲位の指定はありません(参考可動域20度)。
ポイント
  • 股関節の外旋・内旋は「股関節90度屈曲+膝関節90度屈曲位」。基本軸は膝蓋骨から下ろした垂直線、移動軸は下腿中央線。
  • 膝を曲げる理由は、下腿を回旋の指標に使うため。伸展位では回旋角度が読めない。
  • 膝の角度を90度と指定するのは回旋(外旋・内旋)だけ。屈曲でも膝は曲げるが、それはハムストリングスの緊張を避けるためで、下腿を移動軸に使う回旋とは目的が異なる。
  • 股関節伸展は腹臥位・膝伸展位。膝屈曲位にすると大腿直筋の緊張で伸展が制限される。
  • 外転・内転は背臥位・下肢伸展位で骨盤を固定。内転は反対側下肢を挙上してその下を通す。
  • 参考可動域:屈曲125度、伸展15度、外転45度、内転20度、外旋45度、内旋45度。
比較表
運動方向測定肢位参考可動域
屈曲背臥位・膝屈曲位(骨盤固定)※膝を曲げるのはハムストリングスの緊張を避けるためで、90度と規定されるものではない125度
伸展腹臥位・膝伸展位15度
外転背臥位・下肢伸展位(骨盤固定)45度
内転背臥位・下肢伸展位、反対側下肢を挙上しその下を通す20度
外旋/内旋背臥位・股関節90度屈曲+膝関節90度屈曲(下腿中央線を移動軸に使うため角度まで規定)各45度
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