学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ24P087

理由で解く 柔道整復師

QJ24P087 柔道整復理論

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問87
問題
足根骨骨折で正しいのはどれか。
選択肢
1 立方骨骨折は外脛骨との鑑別を要する。
2 距骨骨折は過剰仮骨形成を起こしやすい。
3 舟状骨骨折は直達外力によるものが多い。
4 踵骨骨折ではベーラー角が減少しやすい。
解答
正解4(踵骨骨折ではベーラー角が減少しやすい。)
解説

足根骨は骨ごとに血行と外力の入り方が違う。正しいのは4のベーラー角減少。

踵骨骨折の大半は高所からの転落など軸圧(介達外力)による。踵骨隆起上縁と後距踵関節面を結ぶ線、および後距踵関節面と前方突起を結ぶ線のなす角がベーラー角(結節関節角)で正常は約20〜40度、関節面が陥没すると減少・消失する。距骨は筋の付着がなく表面の大部分が関節軟骨に覆われて栄養血管の入口が少ないため、仮骨形成に乏しく偽関節や無腐性壊死が問題となる。

✓ 4. 正しい
踵骨骨折ではベーラー角が減少しやすい。
軸圧で踵骨体部が圧潰し後距踵関節面が沈下するため角度が小さくなる。健側と比較して評価するのが基本で、減少があれば関節面の陥没を示す。
✗ 1. 誤り
立方骨骨折は外脛骨との鑑別を要する。
外脛骨(副舟状骨)は舟状骨内側に生じる過剰骨なので、鑑別が必要なのは舟状骨骨折。立方骨は足の外側列にある。
✗ 2. 誤り
距骨骨折は過剰仮骨形成を起こしやすい。
距骨は骨膜が乏しく仮骨形成はむしろ乏しい。遷延治癒・偽関節・無腐性壊死が問題となる。過剰仮骨を残しやすいのは踵骨骨折。
✗ 3. 誤り
舟状骨骨折は直達外力によるものが多い。
足の舟状骨骨折は介達外力によるものが多く、裂離骨折が代表的である。ただし裂離の機序は部位で異なる。背側の裂離骨折は足部の強い底屈・内がえし(回外)で距舟靱帯に牽引されて生じ、舟状骨粗面(内側)の裂離骨折は急激な外がえし(回内・外転)で後脛骨筋腱に牽引されて生じる。
ポイント
  • ベーラー角(結節関節角)正常20〜40度。踵骨骨折で減少、健側と比べる。
  • 距骨=血行に乏しい→偽関節・無腐性壊死。踵骨=海綿骨に富む→過剰仮骨・踵の扁平化。
  • 足の舟状骨骨折は介達外力による裂離が多い。背側裂離=底屈・内がえしで距舟靱帯が牽引、舟状骨粗面(内側)の裂離=外がえし(回内・外転)で後脛骨筋腱が牽引、と機序を分けて覚える。
  • 舟状骨粗面部の所見は外脛骨(辺縁が滑らか・両側性が多い)との鑑別が要る。
  • 高所からの転落では脊椎圧迫骨折の合併が多い。背部痛の有無も必ず確認する。
比較表
項目距骨骨折踵骨骨折
血行乏しい豊富
仮骨乏しい過剰になりやすい
主な合併症無腐性壊死・偽関節関節面陥没・扁平足様変形
指標関節面の適合性ベーラー角の減少
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。