学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §2 総論 運動器損傷の診察 / QJ24P071

理由で解く 柔道整復師

QJ24P071 柔道整復理論

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問71
問題
膝蓋骨底から 5cm 近位の大腿周径を計測した結果、左に比べて右が 2cm細かった。主な萎縮筋はどれか。
選択肢
1 薄筋
2 内側広筋
3 大内転筋
4 大腿筋膜張筋
解答
正解2(内側広筋)
解説

膝蓋骨底から5cm近位という測定高位は、膝伸展機構のうち最も遠位まで筋腹をもつ内側広筋をとらえる部位。この高さの周径差は内側広筋の萎縮を反映する。

膝蓋骨底(basis patellae)とは膝蓋骨の上縁のことで、下端の尖った部分が膝蓋骨尖である。「底」の字面から下縁と取り違えないよう注意する。大腿四頭筋のうち内側広筋は最も遠位まで筋線維が伸び、膝蓋骨底の内側近くまで筋腹が届く。とくに斜走線維は最終伸展域で働くため、膝に炎症・疼痛・固定があると廃用性萎縮が最も早く目に見えて現れる。大腿周径は膝蓋骨底から5cm、10cm、15cmと複数の高さで左右同一部位を測り、5cmは内側広筋、より近位は広筋群全体や大腿直筋の状態を表す指標として使い分ける。2cmの左右差は明らかな萎縮なので、可動域回復と並行して大腿四頭筋セッティングなど伸展機構の再教育を進める。

✓ 2. 正しい
内側広筋
大腿四頭筋の中で最も遠位まで筋腹があり、膝蓋骨底から5cmという高さの周径に最も影響する筋。膝の障害では真っ先に萎縮する。
✗ 1. 誤り
薄筋
大腿内側を縦に走る細長く薄い筋で、断面積が小さく周径への寄与はわずか。股関節内転と膝屈曲に働く。
✗ 3. 誤り
大内転筋
筋腹の大部分は大腿の近位から中央の内側にあり、遠位では腱となって内転筋結節に付く。膝蓋骨底から5cmの高さではほとんど筋腹がない。
✗ 4. 誤り
大腿筋膜張筋
腸骨稜前方から起こり大転子付近までの短い筋で、それより遠位は腸脛靱帯に移行する。大腿遠位では靱帯であって筋腹はない。
ポイント
  • 膝蓋骨底=膝蓋骨の上縁(下端の尖部が膝蓋骨尖)
  • 内側広筋=大腿四頭筋で最も遠位まで筋腹がある → 膝蓋骨底付近の周径に反映
  • 膝疾患では内側広筋が最も早く萎縮する
  • 大腿周径は膝蓋骨底から5・10・15cmなど複数高位で、左右同一部位を測る
  • 近位になるほど広筋群全体・大腿直筋を反映する
  • 萎縮を認めたら大腿四頭筋セッティングなど伸展機構の再教育を行う
比較表
計測高位(膝蓋骨底=上縁から)主に反映する筋
5cm内側広筋(斜走線維を含む)
10cm内側広筋・外側広筋など広筋群
15cm以上大腿直筋を含む大腿四頭筋全体
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