学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §9 診察各論 反射検査 / QJ24P031

理由で解く 柔道整復師

QJ24P031 一般臨床医学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問31
問題
反射検査で正しいのはどれか。
選択肢
1 末梢神経障害では腱反射が亢進する。
2 乳児では健常児でもバビンスキー反射がみられる。
3 バビンスキー反射では足底を足の内縁に沿うようにこする。
4 下顎反射は口を閉じてオトガイ部に指を当てその上をハンマーで叩く。
解答
正解2(乳児では健常児でもバビンスキー反射がみられる。)
解説

錐体路の髄鞘化が完成していない乳児では、健常であってもバビンスキー反射がみられる。生後1〜2歳ごろに消失し、それ以降の出現は錐体路障害を示す。

バビンスキー反射は病的反射の代表で、足底の外側縁を踵から小趾側へ、さらに母趾球へ向けてゆっくりこすり、母趾が背屈して他趾が扇状に開けば陽性とする。乳児で陽性なのは皮質脊髄路の髄鞘化が未熟で、皮質からの抑制がまだ働いていないためであり、異常ではない。一方、腱反射は「筋紡錘→求心路→脊髄→遠心路→筋」という反射弓で成立するので、末梢神経が障害されると弓そのものが断たれて減弱・消失する。上位運動ニューロン(錐体路)が障害されると、脊髄反射への抑制が外れて腱反射は亢進し、病的反射も出現する。この「亢進なら中枢、減弱なら末梢」という対比が反射検査の読み方の軸になる。

✓ 2. 正しい
乳児では健常児でもバビンスキー反射がみられる。
錐体路の髄鞘化が未完成なため、健常な乳児でも陽性となる。生後1〜2歳ごろまでに消失し、以後の出現は錐体路障害を示す。これが本問の答え。
✗ 1. 誤り
末梢神経障害では腱反射が亢進する。
反射弓が断たれるため、末梢神経障害では腱反射は減弱・消失する。亢進するのは錐体路(上位運動ニューロン)障害のとき。
✗ 3. 誤り
バビンスキー反射では足底を足の内縁に沿うようにこする。
こするのは足底の外側縁。踵から小趾側を通り、母趾球へ向かって先の鈍いものでゆっくり刺激する。内縁ではない。
✗ 4. 誤り
下顎反射は口を閉じてオトガイ部に指を当てその上をハンマーで叩く。
下顎反射は口を軽く開いて力を抜いた状態で行う。閉口して咬筋が収縮していると反射を正しく評価できない。亢進していれば三叉神経より上位(両側性の錐体路障害)を示す。
ポイント
  • 腱反射:亢進=錐体路(上位運動ニューロン)障害、減弱・消失=末梢神経(反射弓)障害
  • バビンスキー反射は足底の外側縁を踵→小趾側→母趾球へこする。母趾背屈+他趾扇状開大で陽性
  • 乳児(およそ1〜2歳まで)の陽性は髄鞘化未完成による生理的所見
  • 下顎反射は口を軽く開けた状態で行う。亢進は両側性の錐体路障害を示唆
  • 病的反射にはチャドック、オッペンハイム、ゴードン、ホフマン、トレムナーなどもある
比較表
所見障害部位随伴所見
腱反射亢進・病的反射陽性上位運動ニューロン(錐体路)痙性麻痺、クローヌス、筋萎縮は軽度
腱反射減弱・消失下位運動ニューロン・末梢神経弛緩性麻痺、著明な筋萎縮、線維束攣縮
乳児のバビンスキー陽性髄鞘化が未完成(生理的)1〜2歳ごろまでに消失
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