学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 運動学 ▸ §5 姿勢 / QJ24A093
理由で解く 柔道整復師
抗重力筋は重力に抗して立位などの姿勢を保つ筋で、選択肢の中では頸部の姿勢保持に働く前斜角筋があてはまります。したがって正答は4です。
立位では重力線が乳様突起、肩峰のやや前方、股関節中心のやや後方、膝関節の前方、足関節の前方(外果の前方2〜3cm)を通ります。重力線が関節の前を通ればその関節は伸展方向へ、後ろを通れば屈曲方向へ崩れようとするため、そのつど反対側にある筋が制動としてはたらきます。こうして重力に抗して姿勢を保つために身体の前面と後面の両方で持続的に働く筋群が抗重力筋です。後面では脊柱起立筋、大殿筋、ハムストリングス、下腿三頭筋(とくにヒラメ筋)が、前面では頸部屈筋群(斜角筋など)、腹筋群、腸腰筋、大腿四頭筋、前脛骨筋が代表として挙げられます。これらは持久的に働き続ける必要があるため、遅筋(赤筋・タイプI)線維の割合が高いことも特徴です。前斜角筋は頸椎の横突起から第1肋骨に付き、頸部の前屈・側屈に働くとともに、頸部前面の抗重力筋群の一つとして、姿勢の動揺に対して頸部を持続的に安定させる(過伸展を制御する)役割を担います。なお頭部の重心は環椎後頭関節より前方にあるため、立位で頭部が前方に倒れこむのを支える主役は頭・頸半棘筋や板状筋などの後頸筋群であり、前面の筋はこれと対をなして頸部の姿勢を保っています。一方、咬筋・前頭筋・大頬骨筋はいずれも頭部の筋で、下顎を動かしたり顔の表情をつくったりする筋であり、全身の姿勢保持を担う筋群には含まれません。
| 部位 | 身体の後面(背側) | 身体の前面(腹側) |
|---|---|---|
| 頸部 | 頭・頸半棘筋、頭・頸板状筋 | 斜角筋群(前斜角筋など)、頸長筋 |
| 体幹 | 脊柱起立筋 | 腹直筋・腹斜筋などの腹筋群 |
| 股関節 | 大殿筋、ハムストリングス | 腸腰筋 |
| 膝・足 | 下腿三頭筋(ヒラメ筋) | 大腿四頭筋、前脛骨筋 |
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