学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §2 運動器の構造と機能 / QJ24A089

理由で解く 柔道整復師

QJ24A089 運動学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問89
問題
正しいのはどれか。
選択肢
1 行動は身体内外からの刺激により誘発される。
2 皮膚感覚は体性感覚に含まれない。
3 刺激が感覚受容器で感知されることを感覚の投射という。
4 平衡感覚は体性感覚である。
解答
正解1(行動は身体内外からの刺激により誘発される。)
解説

行動は、身体の外からの刺激と内からの刺激の両方をきっかけとして引き起こされます。したがって正答は1です。

感覚は受容器と伝導路のちがいで3つに大別します。特殊感覚は視覚・聴覚・平衡覚・嗅覚・味覚で、いずれも頭部の特殊な受容器と脳神経が担当します。体性感覚は皮膚感覚(表在感覚:触覚・圧覚・温覚・冷覚・痛覚)と深部感覚(位置覚・運動覚・振動覚・深部痛覚)を合わせたものです。内臓感覚は臓器感覚(空腹・尿意など)と内臓痛覚からなります。また「感覚の投射」とは、感覚が実際に生じているのは大脳皮質の感覚野であるにもかかわらず、その感覚が刺激を受けた末梢の部位にあるものとして感じられる現象をいいます。切断した四肢がまだあるように感じる幻肢が、投射を理解する分かりやすい例です。刺激を受容器が受け取る段階(受容)と、皮質で生じた感覚を末梢に定位する段階(投射)を分けて押さえると混同しません。

✓ 1. 正しい
行動は身体内外からの刺激により誘発される。
光・音・接触などの外界からの刺激と、空腹・痛み・姿勢の乱れなど体内からの刺激の双方が受容器で受け取られ、中枢で処理された結果として行動が起こります。刺激→受容器→中枢→効果器という流れは、反射から随意運動まで共通の枠組みです。
✗ 2. 誤り
皮膚感覚は体性感覚に含まれない。
体性感覚は皮膚感覚(表在感覚)と深部感覚を合わせたものです。皮膚感覚は体性感覚を構成する一方の柱であり、含まれないという記述は成り立ちません。
✗ 3. 誤り
刺激が感覚受容器で感知されることを感覚の投射という。
感覚の投射とは、感覚が生じているのは大脳皮質の感覚野であるのに、刺激を受けた末梢の部位で感じられる現象をいいます。受容器が刺激を受け取ること自体は受容(受容器の興奮)であり、投射とは別の段階です。
✗ 4. 誤り
平衡感覚は体性感覚である。
平衡感覚の受容器は内耳の前庭器官(耳石器・半規管)で、前庭神経を経て伝わる特殊感覚です。頭部の特殊な受容器と脳神経が担当するため、体性感覚には含まれません。
ポイント
  • 感覚の3分類=特殊感覚・体性感覚・内臓感覚。まずこの枠を思い浮かべてから選択肢を当てはめる。
  • 特殊感覚=視覚・聴覚・平衡覚・嗅覚・味覚。頭部の特殊な受容器+脳神経が担当。
  • 体性感覚=皮膚感覚(触・圧・温・冷・痛)+深部感覚(位置覚・運動覚・振動覚・深部痛覚)。
  • 感覚の投射=大脳皮質で生じた感覚を、刺激を受けた末梢の部位に定位して感じること。幻肢が典型例。
  • 受容(受容器が刺激を受け取る)と投射(末梢に定位して感じる)は別の段階として区別する。
比較表
分類内容主な受容器
特殊感覚視覚・聴覚・平衡覚・嗅覚・味覚網膜、コルチ器、前庭器官(耳石器・半規管)、嗅上皮、味蕾
体性感覚(表在=皮膚感覚)触覚・圧覚・温覚・冷覚・痛覚マイスネル小体、メルケル盤、ルフィニ終末、自由神経終末など
体性感覚(深部感覚)位置覚・運動覚・振動覚・深部痛覚筋紡錘、腱紡錘(ゴルジ腱器官)、関節受容器、パチニ小体
内臓感覚臓器感覚(空腹・尿意など)・内臓痛覚内臓の自由神経終末、化学受容器・伸展受容器
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