学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §3 脈管系(循環器系) / QJ24A037

理由で解く 柔道整復師

QJ24A037 解剖学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問37
問題
心臓で正しいのはどれか。
選択肢
1 ヒス束は乳頭筋を通る。
2 腱索は肺動脈弁につく。
3 洞房結節は卵円窩にある。
4 乳頭筋は僧帽弁に付属する。
解答
正解4(乳頭筋は僧帽弁に付属する。)
解説

乳頭筋は腱索を介して房室弁に付属し、左心室では僧帽弁(左房室弁)、右心室では三尖弁につながる。したがって「乳頭筋は僧帽弁に付属する」が正しい。

房室弁は、弁尖の遊離縁から伸びる腱索が心室壁から立ち上がる乳頭筋につながるという共通構造をもつ。心室収縮時に乳頭筋が同時に収縮して腱索を引き締めることで、高い心室内圧を受けても弁尖が心房側へ翻転(逸脱)せず、逆流が防がれる。これに対し肺動脈弁と大動脈弁は3枚のポケット状の半月弁で、腱索も乳頭筋ももたず、逆流しようとする血液がポケットに入り込む力そのもので閉じる。刺激伝導系は洞房結節 → 房室結節 → 房室束(ヒス束) → 左脚・右脚 → プルキンエ線維の順に興奮が伝わり、ヒス束は心室中隔を下行する。弁装置と伝導系という2系統を切り分けて考えると、各選択肢が整理しやすい。

✓ 4. 正しい
乳頭筋は僧帽弁に付属する。
左心室には前乳頭筋と後乳頭筋の2つがあり、それぞれから出た腱索が僧帽弁の前尖・後尖の両方に分かれて付着する。1つの乳頭筋が2枚の弁尖を同時に支える構造のため、収縮時に弁が均等に引かれて閉じる。右心室では前・後・中隔の3つの乳頭筋が三尖弁につく。
✗ 1. 誤り
ヒス束は乳頭筋を通る。
ヒス束(房室束)は房室結節から続いて中心線維体(線維三角)を貫き、心室中隔の膜性部から筋性部へ下行して左脚・右脚に分かれる。乳頭筋の中を通るわけではない。なお右脚の一部は中隔縁柱(調節帯)を通って前乳頭筋の基部へ達するが、これはヒス束本体ではなく末梢の枝である点を区別したい。
✗ 2. 誤り
腱索は肺動脈弁につく。
腱索が付着するのは房室弁(三尖弁・僧帽弁)の弁尖である。肺動脈弁は半月弁であり、腱索も乳頭筋ももたない。「腱索と乳頭筋があるのは房室弁だけ」と一組で覚えておくと、半月弁がらみの選択肢を即座に外せる。
✗ 3. 誤り
洞房結節は卵円窩にある。
洞房結節は右心房の壁のうち、上大静脈開口部と右心耳の境(分界溝の上端)に位置する。一方、卵円窩は心房中隔の右房側にある浅いくぼみで、胎生期の卵円孔が閉じた遺残である。心房中隔の下部、卵円窩の前下方にあるコッホの三角内に位置するのは房室結節であり、この2つの結節の場所を対にして押さえるとよい。
ポイント
  • 腱索+乳頭筋をもつのは房室弁(三尖弁・僧帽弁)だけ。半月弁(肺動脈弁・大動脈弁)にはない。
  • 乳頭筋は収縮期に腱索を引き、弁尖が心房側へ翻転するのを防ぐ。左室は2個(前・後)、右室は3個(前・後・中隔)。
  • 洞房結節=上大静脈開口部と右心耳の境(分界溝上端)にある歩調取り(ペースメーカ)。
  • 房室結節=心房中隔下部のコッホの三角内。卵円窩は胎生期の卵円孔の遺残で、伝導系ではない。
  • 伝導順序:洞房結節 → 房室結節 → ヒス束(心室中隔を下行)→ 左脚・右脚 → プルキンエ線維。
比較表
房室弁(三尖弁・僧帽弁)半月弁(肺動脈弁・大動脈弁)
位置心房と心室の間心室と動脈の起始部
弁尖数三尖弁3枚/僧帽弁2枚いずれも3枚
腱索・乳頭筋ありなし
閉じる仕組み乳頭筋が腱索を引き翻転を防ぐ逆流血がポケットに入り込んで閉じる
閉じる時期心室収縮期の始まり心室拡張期の始まり
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