学習トップ理由で解く 生理学第14章 ▸ A. 生体の防御機構 / Q0952

理由で解く 生理学

Q0952 生体の防御機構

出典:あマ指 第34回(2026) 問題30
問題
肥満細胞について正しいのはどれか。
選択肢
1 白血球の約70%を占める
2 ヒスタミンを放出する
3 T細胞に抗原を提示する
4 細菌を貪食する
解答
正解2(ヒスタミンを放出する)
解説
✗ 1. 誤り
白血球の約70%を占める
白血球の約50〜70%を占めるのは好中球(顆粒球の大部分)である。肥満細胞(マスト細胞)は血液中を循環する白血球ではなく、組織中に存在する細胞である。肥満細胞は好塩基球と同じ性質を持ち、皮下組織や粘膜下組織などに分布して異物の侵入を防いでいる。
✓ 2. 正しい
ヒスタミンを放出する
肥満細胞は組織中に存在し、刺激を受けるとヒスタミンなどの炎症を引き起こす化学物質を放出する。微生物が組織に侵入すると、肥満細胞からヒスタミンが放出され、局所の毛細血管が拡張して血流が増加し(発赤と熱感)、毛細血管壁の透過性が亢進して浮腫(腫脹)が起こる。これは炎症反応の重要な過程である。また、肥満細胞はアレルギー反応(特にI型アレルギー)においても中心的な役割を果たし、IgE抗体を介してアレルゲンと反応してヒスタミンを放出する。
✗ 3. 誤り
T細胞に抗原を提示する
T細胞に抗原を提示する主な細胞は、マクロファージや樹状細胞である。マクロファージは貪食によって取り込んだ異物の断片を抗原としてリンパ球に提示し、免疫系の獲得免疫を誘導する。肥満細胞は抗原提示細胞ではない。
✗ 4. 誤り
細菌を貪食する
細菌を積極的に貪食する(食作用を持つ)のは好中球とマクロファージ(単球)である。好中球は細菌に近づき(遊走)、取り込んで分解・消化する。マクロファージは大食細胞の名のとおり、大きな異物を貪食して除去する。肥満細胞の主な役割は化学物質の放出による炎症反応の誘発であり、貪食作用は主要な機能ではない。
ポイント
  • 肥満細胞=マスト細胞。名称から太った細胞を連想するが、顆粒が細胞を「膨らませている」ように見えることに由来する。
  • 覚え方のコツ:「肥満細胞=ヒスタミン放出=炎症・アレルギー」の三点セットで覚える。
  • 肥満細胞と好塩基球は同じ性質を持つが、好塩基球は血液中、肥満細胞は組織中に存在する点が異なる。
  • 免疫系の主要な白血球の役割を整理:好中球=貪食、マクロファージ=貪食+抗原提示、肥満細胞=ヒスタミン放出、T細胞=細胞性免疫、B細胞→形質細胞=抗体産生。
比較表
免疫細胞 主な機能 存在部位
好中球 細菌の貪食・殺菌 血液中(白血球の50〜70%)
マクロファージ 貪食・抗原提示 組織中(単球が分化)
肥満細胞 ヒスタミン放出(炎症・アレルギー) 組織中(皮下・粘膜下)
樹状細胞 抗原提示 全身の組織
B細胞→形質細胞 抗体産生 リンパ節・血液中
T細胞(ヘルパー) B細胞の分裂・分化を助ける リンパ節・血液中
T細胞(キラー) ウイルス感染細胞の破壊 リンパ節・血液中
解説画像
あマ指 第34回(2026) 問題30|肥満細胞について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第34回(2026) 問題30|肥満細胞について正しいのはどれか。
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