
この図の解説
図は音の信号が耳から大脳へ届くまでの階段を、下(延髄)から上(大脳)へ描いている。まず右下の「蝸牛の断面図」「コルチ器」を見てほしい。音は内耳の蝸牛にあるコルチ器で受容され、有毛細胞からラセン神経節の細胞(一次ニューロン)へ渡り、蝸牛神経となって延髄レベルの腹側・背側蝸牛神経核に入る。ここで二次ニューロンに交代し、多くが交叉して反対側の外側毛帯を上行し、中脳レベルの下丘に終わる。図の中央を縦に貫く2本の線が外側毛帯で、途中に上オリーブ複合体(台形体核・上オリーブ核)や外側毛帯核が中継点として並ぶ点に注目したい。下丘からは三次ニューロンが下丘腕をつくって上行し、間脳の内側膝状体へ達する。最後に四次ニューロンが聴放線となって側頭葉の一次聴覚野に入る。右上の図は、蝸牛の低音域・中音域・高音域が聴覚野の別々の場所に対応することを示している。
学習の要点
- 聴覚伝導路の順路: 蝸牛(コルチ器)→蝸牛神経→蝸牛神経核→(交叉)外側毛帯→下丘→下丘腕→内側膝状体→聴放線→一次聴覚野(側頭葉)。
- 覚え方のコツ: 聴覚だけニューロンが4つ(蝸牛神経核・下丘・内側膝状体・聴覚野で乗り換え)。体性感覚や視覚が原則3ニューロンなのに対し「聴覚は一段多い」と押さえる。
- 関連知識: 内側膝状体は聴覚、外側膝状体は視覚の中継核。下丘は聴覚反射(突然の音に頭・眼を向ける)、上丘は視覚反射(瞳孔反射・追跡眼球運動)。「内・下=聴覚」「外・上=視覚」でセット暗記。
- よくある間違い: 「聴覚は内側膝状体・下丘」を「視覚の外側膝状体・上丘」と取り違えるミスが最頻出。膝状体は視床(間脳)の後下面にある高まりで、下丘は中脳にある。
- 臨床応用: 経路の途中で交叉と非交叉が混在するため、片側の中枢性病変でも完全な一側性難聴は起こりにくい。一側の難聴は蝸牛・蝸牛神経など末梢側の障害を示唆する。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
下丘から起こる三次ニューロンは( )をつくって上行し、間脳の内側膝状体に達する。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 下丘腕
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。