
この図の解説
図は膀胱と、それを支配する3本の神経、そして脳・脊髄との連絡を1枚にまとめたものである。まず膀胱壁の平滑筋である膀胱体筋(排尿筋)と、出口を締める内尿道括約筋・外尿道括約筋の位置を確認したい。次に色分けされた3本の神経を追う。オレンジの下腹神経は交感神経(T12〜L2)で、排尿筋を弛緩させ内尿道括約筋を収縮させる「蓄尿」の担い手である。青緑・水色の骨盤内臓神経(骨盤神経)は副交感神経(S2〜S4)で、排尿筋を収縮させる「排尿」の担い手である。紫の陰部神経は体性運動神経で、随意筋である外尿道括約筋を収縮させる。膀胱が充満すると尿意が体性感覚野へ伝わり、橋の排尿中枢が下腹神経を抑制し骨盤内臓神経を亢進させて排尿が起こる。副交感神経の興奮で膀胱壁の筋層が収縮し内尿道括約筋がゆるむ流れは、教科書の記載とも一致する。
学習の要点
- 蓄尿は交感神経(下腹神経)、排尿は副交感神経(骨盤内臓神経)が主役。外尿道括約筋だけは体性神経(陰部神経)支配の随意筋。
- 覚え方のコツ: 「た(蓄尿)は交(交感)、は(排尿)は副(副交感)」。3本の神経は下腹=交感、骨盤=副交感、陰部=体性でセット暗記。
- 関連知識: 副交感神経の興奮で膀胱壁の筋層が収縮し膀胱括約筋(内尿道括約筋)がゆるむ。外尿道括約筋は横紋筋の随意筋で、大脳からの命令ではじめて開いて排尿となる。
- よくある間違い: 外尿道括約筋を副交感神経支配と誤ること。外尿道括約筋は陰部神経(体性運動神経)支配。副交感神経が支配するのは排尿筋。
- 臨床応用: 橋の排尿中枢より上位の障害では蓄尿が困難となり、脊髄損傷では反射性の排尿障害を生じるなど、障害部位により排尿症状が異なる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。