学習トップ理由で解く 生理学第10章 ▸ N. 自律神経系 / Q0709

理由で解く 生理学

Q0709 神経

出典:あマ指 第18回(2010) 問題44
問題
交感神経興奮によって起こる現象で誤っているのはどれか。
選択肢
1 瞳孔散大
2 心拍数増大
3 気管支筋収縮
4 胃液分泌抑制
解答
正解3(気管支筋収縮)
解説
✗ 1.
瞳孔散大
✗ 正しい。交感神経の興奮によりα1受容体を介して瞳孔散大筋が収縮し、瞳孔が散大する。暗所や驚愕時に起こる反応である。
✗ 2.
心拍数増大
✗ 正しい。交感神経の興奮により心臓のβ1受容体が刺激され、心拍数が増大し心収縮力も増強する。
✓ 3. 誤り
気管支筋収縮
交感神経が興奮すると気管支平滑筋はβ2受容体を介して弛緩(拡張)し、気道が広がって換気量が増加する。気管支筋の収縮は副交感神経(迷走神経)のムスカリン受容体を介した作用である。交感神経は「闘争か逃走(fight or flight)」の反応として、呼吸しやすいように気管支を拡張させる。
✗ 4.
胃液分泌抑制
✗ 正しい。交感神経の興奮により消化管の運動と分泌は全般的に抑制され、胃液分泌も抑制される。
ポイント
  • 覚え方のコツ: 交感神経の作用は「闘争・逃走に有利な方向」で統一的に理解する。逃げる時は瞳孔散大(周囲を見る)、心拍↑(血液供給↑)、気管支拡張(呼吸しやすく)、消化抑制(消化は後回し)。
  • 関連知識: 気管支喘息はβ2受容体の刺激薬(β2刺激薬:サルブタモールなど)で治療される。これは交感神経の気管支拡張作用を薬理的に利用したものである。
  • よくある間違い: 交感神経=「収縮」というイメージで全臓器の作用を考えてしまうが、気管支平滑筋と消化管平滑筋は弛緩する。瞳孔散大筋は収縮するが結果として瞳孔は「散大」する。
  • 教科書では「j.自律神経の関与する反射」の範囲に該当する。
比較表
器官 交感神経 副交感神経
瞳孔 散大(α1) 縮小
心拍数 増加(β1) 減少
気管支 拡張(β2) 収縮
消化管運動 抑制 促進
消化液分泌 抑制 促進
膀胱(排尿筋) 弛緩(β2) 収縮
血管 収縮(α1) (支配少ない)
汗腺 促進(ACh)
解説画像
あマ指 第18回(2010) 問題44|交感神経興奮によって起こる現象で誤っているのはどれか。 解説図
あマ指 第18回(2010) 問題44|交感神経興奮によって起こる現象で誤っているのはどれか。
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