学習トップ理由で解く 生理学第10章 ▸ B. 神経線維の興奮伝導 / Q0608

理由で解く 生理学

Q0608 神経

出典:あマ指 第34回(2026) 問題26
問題
神経線維の興奮伝導について正しいのはどれか。
選択肢
1 活動電位は隣接する他の神経線維に伝導する
2 活動電位の大きさは伝導の途中で減衰する
3 伝導速度は神経線維が太いほど遅い
4 有髄線維では跳躍伝導が起こる
解答
正解4(有髄線維では跳躍伝導が起こる)
解説
✗ 1. 誤り
活動電位は隣接する他の神経線維に伝導する
これは「絶縁性伝導」の原則に反する。多数の神経線維が平行して神経線維束を作っている場合でも、1本の神経線維が興奮しても隣接する他の神経線維には興奮が伝わらない。各神経線維は電気的に絶縁されており、独立して信号を伝導する。
✗ 2. 誤り
活動電位の大きさは伝導の途中で減衰する
これは「不減衰伝導」の原則に反する。神経の直径その他の性状が一様な場合、興奮の大きさは減衰せずに一定の大きさで伝導する。活動電位は「全か無の法則」に従い、伝導の途中で新たに活動電位が発生しながら伝わるため、減衰しない。
✗ 3. 誤り
伝導速度は神経線維が太いほど遅い
伝導速度は神経線維が太いほど速い。太い線維ほど隣接した膜に電流が流れやすく、より素早く閾値まで脱分極されるためである。伝導速度は約1m/秒(細い無髄線維)から約100m/秒(太い有髄線維)の範囲にある。
✓ 4. 正しい
有髄線維では跳躍伝導が起こる
有髄線維ではミエリン(髄鞘)で覆われた部分の膜は絶縁されており、局所電流はミエリンが途絶えるランビエの絞輪の部分でのみ流れる。そのため、活動電位は一つの絞輪から次の絞輪へとジャンプしながら伝導する。これを跳躍伝導という。跳躍伝導により、有髄線維の伝導速度は無髄線維に比べてはるかに速くなる。
ポイント
  • 興奮伝導の3原則:①絶縁性伝導(他の線維に伝わらない)、②不減衰伝導(大きさが減衰しない)、③両方向性伝導(摘出神経では両方向に伝導する)。
  • 覚え方のコツ:「絶・不・両=ぜつ・ふ・りょう」で3原則を覚える。
  • 跳躍伝導のキーワード:有髄線維、ミエリン(髄鞘)、ランビエの絞輪。
  • 「伝導」と「伝達」の違い:伝導=1本の神経線維上を活動電位が伝わること。伝達=シナプスを介して次の細胞に興奮が伝わること(化学的伝達物質が関与)。
比較表
伝導の原則 内容
絶縁性伝導 隣接する他の神経線維に興奮は伝わらない
不減衰伝導 活動電位の大きさは伝導中に減衰しない
両方向性伝導 摘出神経では刺激部位から両方向に伝導する
解説画像
あマ指 第34回(2026) 問題26|神経線維の興奮伝導について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第34回(2026) 問題26|神経線維の興奮伝導について正しいのはどれか。
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