
この図の解説
この図は、神経細胞の軸索を活動電位が細胞体側から軸索末端へと伝わっていく様子を、膜の電荷(+/−)の変化として示している。まず注目したいのは軸索の色分けで、緑の「脱分極」部・青の「再分極」部・桃色の「静止電位」部が右へずれていく点である。活動電位が発生するとNaチャネルが開いてNaイオンが流入し、その部位が脱分極する。すると隣の部分が閾値に達して脱分極を起こし、始めの部分ではNaチャネルが閉じKチャネルからKイオンが流出して再分極する。この間は新たな脱分極ができない(不応期)ため、興奮は逆戻りせず一方向へ進む。右上の囲みが示すように、有髄神経では髄鞘の切れ目であるランビエ絞輪を跳躍して伝わる(跳躍伝導)。伝わるのは「電気」という物質ではなく、膜の電荷が次々と+→−に変わっていく現象である点をおさえたい。
学習の要点
- 活動電位の伝導は、隣接部位が次々に閾値へ達して脱分極する連鎖であり、電荷の変化が波として進む現象である。
- 覚え方のコツ: 「Naで脱分極(入る)・Kで再分極(出る)」。開くチャネルとイオンの向きをセットで暗記する。
- 関連知識: 静止電位は細胞内がマイナスの状態で、ナトリウム-カリウムポンプがNaを細胞外・Kを細胞内へ汲み出して維持する。軸索末端ではカルシウムイオンが神経伝達物質の放出を引き起こす。
- よくある間違い: 脱分極をKイオン、再分極をNaイオンと取り違える。開くのは脱分極でNaチャネル、再分極でKチャネル。
- 臨床応用: 有髄神経の跳躍伝導は伝導速度が速く、脱髄が起こると伝導が障害される。太い有髄線維ほど速く伝わる点は感覚・運動の理解につながる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
有髄神経では、活動電位が髄鞘の切れ目である( )を跳んで伝わる跳躍伝導が起こる。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: ランビエ絞輪
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。