
この図の解説
図の中央を走る血管を軸に、左右2本のホルモンが逆向きに働く構図を読み取る。血漿Ca²⁺濃度は正常で10mg/dlに保たれ、これが下がるか上がるかで働くホルモンが切り替わる。左側のパラソルモン(上皮小体)は血中Ca濃度が低下したときに分泌が増え、骨に矢印が向かい破骨細胞による骨吸収を促して骨のCaを血中へ遊離させ、腎尿細管ではCa²⁺再吸収を促進する。右側のカルシトニン(甲状腺の傍濾胞細胞)は血中Ca濃度が上昇したときに分泌が増え、骨吸収を抑えて骨芽細胞による骨形成を進め、腎からのCa²⁺排泄を促す。右上のグラフでは、パラソルモンが右下がり、カルシトニンが右上がりの直線で描かれ、両者が血漿Ca濃度に対して正反対に応答することが一目でわかる。上皮小体は甲状腺の背面にある米粒大の小体で上下1対計4個ある。
学習の要点
- パラソルモン(上皮小体)は血中Ca濃度を上げ、カルシトニン(甲状腺傍濾胞細胞)は下げる、と正反対の作用を対にして覚える。
- 覚え方のコツ: 「パラ(PTH)=Ca上げる=骨を壊す(破骨細胞)」「カルシトニン=Caしまう=骨をつくる(骨芽細胞)」。名前と血中Caの向きをセットで固定する。
- 関連知識: パラソルモンを出す上皮小体は甲状腺の背面にあり、カルシトニンを出す傍濾胞細胞は甲状腺の濾胞の間にある。分泌源の臓器が近接するが由来と作用は別物。
- よくある間違い: カルシトニンを甲状腺の「濾胞細胞」が出すと取り違える。カルシトニンは濾胞細胞ではなく傍濾胞細胞から分泌される。
- 臨床応用: 血中Caが下がると神経・筋が興奮しやすくなりテタニー(筋のけいれん)が起こる。上皮小体の障害でパラソルモンが不足すると低Ca血症となる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
甲状腺の( )細胞から分泌されるカルシトニンは、血中カルシウム濃度を下げる。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 傍濾胞(細胞)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。