
この図の解説
図は甲状腺濾胞細胞での甲状腺ホルモン合成・分泌の流れを示す。まず右側で血中のヨウ素イオン(I⁻)がNa/I共輸送体により濾胞細胞へ能動的に取り込まれ、ペンドリンを通って濾胞腔(コロイド)へ運ばれる。粗面小胞体で合成されたサイログロブリンも開口分泌で濾胞腔へ放出される。濾胞腔では甲状腺ペルオキシダーゼがヨウ素を酸化し、サイログロブリンのチロシン残基をヨウ素化する。ヨウ素が1つ結合するとMIT、2つでDITとなり、DIT同士がカップリングしてT4、MITとDITからT3ができる。TSH刺激でサイログロブリンが濾胞細胞に再取込され、ライソソームで加水分解されてT3・T4が遊離し、MCT(モノカルボン酸トランスポーター)から血中へ拡散する。図を右から左、そして下段を左から右へたどると合成の順序になる。
学習の要点
- 甲状腺ホルモンの材料はヨウ素とサイログロブリン(チロシン残基)。合成は濾胞細胞ではなく濾胞腔(コロイド)で進む。
- 覚え方のコツ:チロシンにヨウ素が1個でMIT(Mono=1)、2個でDIT(Di=2)。「DIT+DIT=T4」「MIT+DIT=T3」と足し算で数字が合う。
- 関連知識:濾胞腔のコロイドの主成分がサイログロブリンで、傍濾胞細胞が分泌するカルシトニンとは別系統。TSH(下垂体前葉)はサイログロブリン合成・カップリング・再取込を促進する。
- よくある間違い:T4がサイロキシン、T3がトリヨードサイロニン。「3」「4」はヨウ素の総数を表すが、T3はMIT+DITでできる点を混同しやすい。
- 臨床応用:甲状腺ペルオキシダーゼは抗甲状腺薬(チアマゾール等)の標的で、ヨウ素化・カップリングを阻害してホルモン合成を抑える。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
DIT2分子がカップリング(縮合)してできる甲状腺ホルモンは( )である。
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答え: サイロキシン(T4)
濾胞腔に運ばれたヨウ素イオンは( )の作用で酸化され、続いてチロシン残基のヨウ素化に用いられる。
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答え: 甲状腺ペルオキシダーゼ
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。