
この図の解説
図は甲状腺ホルモンの2つの型を左右に並べ、化学構造に付いたヨウ素(I)の数に注目させている。左のサイロキシン(T4)はヨウ素が4つ、右のトリヨードサイロニン(T3)はヨウ素が3つで、名前の「トリ(3)」とヨウ素数が一致する点をまず押さえたい。見出しの但し書きが両者の性格を対比する。T4は「安定しているが弱い活性」、T3は「不安定だが強い活性」で、活性と安定性が逆の関係にある。甲状腺の濾胞から血中へ主に分泌されるのはT4(T3の約20倍)だが、T4は末梢組織で脱ヨード酵素によりヨウ素を1つ外されてT3に変換され、そのT3がT4の約10倍の強さで作用する。教科書では、この甲状腺ホルモンが全身の細胞・組織を刺激して物質代謝を高め、エネルギー産生を増やすと述べられている。
学習の要点
- 甲状腺ホルモンにはサイロキシン(T4/ヨウ素4個)とトリヨードサイロニン(T3/ヨウ素3個)があり、活性はT3のほうが約10倍強い。
- 覚え方のコツ:数字がそのままヨウ素の数。「トリ=3」でT3はヨウ素3個、T4は4個。強さは番号が小さいT3が上と逆転で覚える。
- 関連知識:甲状腺の濾胞細胞がこれらを分泌し、全身の物質代謝とエネルギー産生を高める。同じ甲状腺でも傍濾胞細胞は別物のカルシトニンを出す。
- よくある間違い:「分泌量が多いT4のほうが作用も強い」と思い込むこと。分泌はT4が主(約20倍)だが、実際に強く働くのは末梢でT4から作られるT3。
- 臨床応用:甲状腺機能低下症の補充療法ではT4製剤が使われる。安定なT4を投与すれば体内で必要量のT3に変換されるため。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
T3の多くは、末梢組織で( )酵素がT4のヨウ素を1つ外すことによって作られる。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 脱ヨード
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。