学習トップ理由で解く 生理学第7章 ▸ C. 尿生成 / Q0436

理由で解く 生理学

Q0436 排泄

出典:鍼灸 第24回(2016) 問題28
問題
尿量を増やすのはどれか。
選択肢
1 バソプレシン分泌の増加
2 アルドステロン分泌の増加
3 血液量の減少
4 血漿浸透圧の低下
解答
正解4(血漿浸透圧の低下)
解説
✗ 1. 誤り
バソプレシン分泌の増加
バソプレシン(ADH)分泌が増加すると、集合管でのアクアポリン2を介した水再吸収が促進され、尿は濃縮されて尿量は減少する。
✗ 2. 誤り
アルドステロン分泌の増加
アルドステロン分泌が増加すると、集合管・遠位尿細管でのNa⁺再吸収が促進される。Na⁺の再吸収に伴い水も浸透圧勾配に従って再吸収されるため、結果として尿量は減少する。
✗ 3. 誤り
血液量の減少
血液量が減少すると、容量受容器を介してバソプレシン分泌が増加し、同時にRAAS(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系)が活性化される。これにより水とNa⁺の再吸収が促進され、尿量は減少する。
✓ 4. 正しい
血漿浸透圧の低下
血漿浸透圧が低下すると、視床下部の浸透圧受容器がこれを感知してバソプレシン(ADH)の分泌が抑制される。ADHが減少すると集合管での水再吸収が低下し、大量の希釈尿が排泄されて尿量が増加する(水利尿)。これにより余剰な水分が排泄され、血漿浸透圧が正常範囲(約280〜295mOsm/L)に戻る方向に調節される。大量の水分摂取後に薄い尿が大量に出るのはこのメカニズムによる。
ポイント
  • 血漿浸透圧の低下→ADH分泌抑制→集合管での水再吸収低下→尿量増加(水利尿)という調節機構が本問の核心である。
  • 覚え方のコツ: 「浸透圧低い=水が余っている=ADH要らない=尿で水を捨てる」の因果関係を順に追う。ADHは「水を"溜める"ホルモン」なので、ADH↑=尿量↓、ADH↓=尿量↑と覚える。
  • 関連知識: 尿崩症ではADHの分泌障害(中枢性)または作用障害(腎性)により、常に大量の希釈尿が排泄される。逆にADH不適切分泌症候群(SIADH)ではADH過剰により水の貯留と低ナトリウム血症が生じる。
  • よくある間違い: 「アルドステロン増加→Na⁺排泄増加→尿量増加」と誤答するケースがある。アルドステロンはNa⁺の「再吸収」を促進するホルモンであり、Na⁺排泄ではなくNa⁺保持の方向に働く。
  • 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
比較表
条件 ADH分泌 尿量 尿浸透圧
血漿浸透圧低下(水過剰) 減少↓ 増加↑ 低下(希釈尿)
血漿浸透圧上昇(脱水) 増加↑ 減少↓ 上昇(濃縮尿)
血液量減少(出血) 増加↑ 減少↓ 上昇(濃縮尿)
大量飲水 減少↓ 増加↑ 低下(希釈尿)
解説画像
鍼灸 第24回(2016) 問題28|尿量を増やすのはどれか。 解説図
鍼灸 第24回(2016) 問題28|尿量を増やすのはどれか。
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