学習トップ理由で解く 生理学第7章 ▸ C. 尿生成 / Q0433

理由で解く 生理学

Q0433 排泄

出典:鍼灸 第23回(2015) 問題30
問題
糸球体ろ過量を増加させるのはどれか。
選択肢
1 糸球体血圧の上昇
2 血漿膠質浸透圧の上昇
3 ボーマン嚢内圧の上昇
4 尿管内圧の上昇
解答
正解1(糸球体血圧の上昇)
解説
✓ 1. 正しい
糸球体血圧の上昇
糸球体ろ過量(GFR)は有効ろ過圧に比例する。有効ろ過圧=糸球体血圧(約60mmHg)- 血漿膠質浸透圧(約25mmHg)- ボーマン嚢内圧(約15mmHg)で算出される。したがって、糸球体血圧が上昇すると有効ろ過圧が増大し、GFRが増加する。正常なGFRは約125mL/分(約180L/日)である。糸球体血圧は輸入細動脈と輸出細動脈の緊張度によって調節される。
✗ 2. 誤り
血漿膠質浸透圧の上昇
血漿膠質浸透圧はアルブミンなどの血漿タンパク質による浸透圧であり、水を血管内に引き留める力として作用する。この圧が上昇するとろ過を妨げる方向に働き、GFRは低下する。
✗ 3. 誤り
ボーマン嚢内圧の上昇
ボーマン嚢内圧はすでにろ過された原尿によるボーマン嚢内の圧力であり、この圧が上昇するとろ過を妨げる方向に作用してGFRは低下する。
✗ 4. 誤り
尿管内圧の上昇
尿管内圧の上昇(尿路閉塞など)は尿の流出を妨げ、ボーマン嚢内圧の上昇を介して間接的にGFRを低下させる。
ポイント
  • 有効ろ過圧=糸球体血圧-血漿膠質浸透圧-ボーマン嚢内圧の公式を確実に覚え、各因子の増減がGFRに与える影響を判断できるようにすることが重要である。
  • 覚え方のコツ: 「ろ過を"押す"力は糸球体血圧だけ、"止める"力は膠質浸透圧とボーマン嚢内圧の2つ」と整理する。ろ過圧の式は「押す力 マイナス 止める力×2」のイメージで覚える。
  • 関連知識: 有効ろ過圧の概念はスターリングの毛細血管交換法則と共通する。毛細血管でのろ過と再吸収の原理を合わせて理解しておくとよい。
  • よくある間違い: 「血漿膠質浸透圧の上昇→水を引き込む→ろ過が増える」と考えてしまう誤答がある。膠質浸透圧は血管内に水を引き留める力であり、上昇するとろ過は減少する。
  • 教科書では「b.糸球体濾過」の範囲に該当する。
比較表
因子 変化 GFRへの影響
糸球体血圧 上昇 GFR増加↑
糸球体血圧 低下 GFR減少↓
血漿膠質浸透圧 上昇 GFR減少↓
ボーマン嚢内圧 上昇 GFR減少↓
尿管内圧 上昇 GFR減少↓(間接的)
解説画像
鍼灸 第23回(2015) 問題30|糸球体ろ過量を増加させるのはどれか。 解説図
鍼灸 第23回(2015) 問題30|糸球体ろ過量を増加させるのはどれか。
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