学習トップ理由で解く 生理学第7章 ▸ C. 尿生成 / Q0414

理由で解く 生理学

Q0414 排泄

出典:鍼灸 第12回(2004) 問題42
問題
健常成人の腎糸球体でろ過される物質はどれか。
選択肢
1 アルブミン
2 赤血球
3 ブドウ糖
4 γ-グロブリン
解答
正解3(ブドウ糖)
解説
✗ 1. 誤り
アルブミン
アルブミンは分子量約68,000の血漿タンパク質であり、糸球体濾過膜のサイズバリア(分子量約7万以上を通さない)およびチャージバリア(陰性荷電を持つ物質を反発する)によりろ過されない。
✗ 2. 誤り
赤血球
赤血球は直径約7〜8μmの血球成分であり、糸球体毛細血管の小孔(約8nm)を通過できないため、ろ過されない。
✓ 3. 正しい
ブドウ糖
ブドウ糖(グルコース)は分子量180の低分子物質であり、糸球体濾過膜を自由に通過してろ過される。ろ過後は近位尿細管でNa⁺-グルコース共輸送体(SGLT2およびSGLT1)により、ほぼ全量(100%近く)が再吸収される。そのため正常尿にはグルコースは検出されない。血糖値が腎閾値(約180mg/dL)を超えると、再吸収能を超えた分が尿中に排泄される(尿糖陽性)。
✗ 4. 誤り
γ-グロブリン
γ-グロブリン(免疫グロブリン)は分子量約15万〜90万の大分子タンパク質であり、サイズバリアにより糸球体でろ過されない。
ポイント
  • 糸球体では低分子物質(グルコース、アミノ酸、電解質、尿素など)は自由にろ過されるが、血球やタンパク質はろ過されない。
  • 覚え方のコツ: 「糸球体はザル」=小さい分子は通すが、大きいタンパク質や血球は通さない。ろ過の基準は分子量約7万がボーダーライン。
  • 関連知識: 糸球体濾過膜は3層構造(毛細血管内皮・基底膜・足細胞の足突起)で、サイズバリアとチャージバリアの2重の選別機構を持つ。腎疾患でこのバリアが破綻するとタンパク尿(ネフローゼ症候群)や血尿が出現する。
  • よくある間違い: 「ブドウ糖はろ過されない」と誤解しやすいが、ろ過は正常に行われており、再吸収で回収されるため尿中に出ないだけである。
  • 教科書では「b.糸球体濾過」の範囲に該当する。
比較表
物質 分子量 糸球体ろ過 尿細管での処理
グルコース 180 ろ過される 近位尿細管で100%再吸収
アルブミン 68,000 ろ過されない
γ-グロブリン 150,000〜 ろ過されない
赤血球 ろ過されない
尿素 60 ろ過される 約50%再吸収
解説画像
鍼灸 第12回(2004) 問題42|健常成人の腎糸球体でろ過される物質はどれか。 解説図
鍼灸 第12回(2004) 問題42|健常成人の腎糸球体でろ過される物質はどれか。
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