学習トップ理由で解く 生理学第7章 ▸ C. 尿生成 / Q0412

理由で解く 生理学

Q0412 排泄

出典:鍼灸 第11回(2003) 問題41
問題
尿量を増やすのはどれか。
選択肢
1 血液の浸透圧の上昇
2 バソプレッシン分泌の増加
3 細胞外液量の増加
4 大動脈弓圧受容器活動の低下
解答
正解3(細胞外液量の増加)
解説
✗ 1. 誤り
血液の浸透圧の上昇
血液浸透圧の上昇は視床下部の浸透圧受容器を刺激し、バゾプレッシン(ADH)分泌を促進する。ADHは集合管での水再吸収を増加させるため、尿量は減少する。
✗ 2. 誤り
バソプレッシン分泌の増加
バゾプレッシン(ADH)分泌の増加は集合管のアクアポリン2の発現を増加させ、水の再吸収を促進する。その結果、尿は濃縮され尿量は減少する。
✓ 3. 正しい
細胞外液量の増加
細胞外液量が増加すると循環血液量が増加し、以下の複数の機構により尿量が増加する。(1)心房壁の伸展により容量受容器(低圧受容器)が刺激され、バゾプレッシン分泌が抑制される(水再吸収↓)。(2)心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)が分泌されNa+排泄が促進される。(3)腎血流量の増加によりGFRが上昇する。(4)レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系が抑制されNa+再吸収が減少する。
✗ 4. 誤り
大動脈弓圧受容器活動の低下
圧受容器活動の低下(血圧低下時)は交感神経活動を反射的に増加させ、腎血管収縮→腎血流量減少→GFR低下→尿量減少の方向に働く。また、レニン分泌が促進されアルドステロンによるNa+再吸収も増加する。
ポイント
  • 細胞外液量の増加は、ADH抑制・ANP分泌・RAAS抑制・腎血流増加の複数機構により尿量を増加させる。
  • 覚え方のコツ: 尿量の増減は「水が余れば出す、足りなければ溜める」の原則で考える。細胞外液量↑→水が余る→尿量↑、浸透圧↑→水が足りない→ADH↑→尿量↓。
  • 関連知識: 尿量の調節にはADH、アルドステロン、ANPの3つのホルモンが中心的役割を果たす。利尿薬は各部位での再吸収を阻害して尿量を増加させる。
  • よくある間違い: 「浸透圧上昇→尿量増加」と混同しやすいが、浸透圧上昇はADH分泌を促進し尿量は減少する。浸透圧利尿(糖尿病など)は別の機序である。
  • 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
比較表
要因 尿量への影響 機序
細胞外液量↑ 増加 ADH抑制、ANP分泌、RAAS抑制
血液浸透圧↑ 減少 ADH分泌↑→水再吸収↑
ADH分泌↑ 減少 集合管での水再吸収↑
圧受容器活動↓ 減少 交感神経↑→腎血流↓
ANP分泌↑ 増加 Na+排泄↑→水排泄↑
解説画像
鍼灸 第11回(2003) 問題41|尿量を増やすのはどれか。 解説図
鍼灸 第11回(2003) 問題41|尿量を増やすのはどれか。
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