
この図の解説
この図は、交感神経が各効果器に及ぼす作用と、そこに関与する受容体(αかβか)を一覧にしたものである。交感神経の節後線維終末からはノルアドレナリンが分泌され、効果器のアドレナリン受容体に結合して作用する。表の左列に効果器、中列に作用(収縮か弛緩か)、右列に受容体を並べて読むのがコツである。まず注目すべきは、心臓だけがβ受容体で「亢進(心拍数増加・収縮力増大)」する点である。心臓以外に目を移すと、α受容体は収縮を、β受容体は弛緩をもたらすという規則性が見えてくる。血管平滑筋・消化管括約筋・膀胱括約筋・精嚢・精管・瞳孔散大筋はいずれもα受容体で収縮し、膀胱排尿筋・気管支平滑筋はβ受容体で弛緩する。この「αは締める、βはゆるめる、ただし心臓のβは元気になる」という整理で全体を一気に覚えられる。
学習の要点
- 交感神経節後線維の伝達物質はノルアドレナリンで、効果器のα・β(アドレナリン)受容体に作用する。
- 覚え方のコツ: 心臓以外は「α→収縮、β→弛緩」。心臓だけβ受容体でドキドキ亢進、と例外を1つだけ覚える。
- 関連知識: 瞳孔散大筋はα受容体で収縮して散瞳する。これに対し瞳孔括約筋(縮瞳)は副交感神経支配で、両者は別の筋である。
- よくある間違い: 気管支をα(収縮)と誤答しやすいが、交感神経は気管支平滑筋をβ受容体で弛緩=拡張させ、呼吸を楽にする方向に働く。
- 臨床応用: 気管支喘息の発作にβ刺激薬(気管支拡張)、鼻づまりや止血にα刺激薬(血管収縮)が用いられる理屈がこの表から理解できる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
交感神経の節後線維終末から分泌される神経伝達物質は( )である。
答えを見る
答え: ノルアドレナリン
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。