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理由で解く 生理学

Q0316 消化と吸収

出典:鍼灸 第23回(2015) 問題31
問題
ホルモンとその効果器の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 セクレチン ―――――― 肝 臓
2 コレシストキニン ――― 胆 嚢
3 ガストリン ―――――― 膵 臓
4 エリスロポエチン ――― 腎 臓
解答
正解2(コレシストキニン ――― 胆 嚢)
解説

消化管ホルモンは「何のために出るホルモンか」という目的から作用先(効果器)を辿れる。コレシストキニンは消化が目的で胆嚢を収縮させるので、2 が正しい。

セクレチンは、胃から送られてきた酸性の内容物を中和することが目的である。その目的に合う作用先は膵導管細胞で、重炭酸イオン(HCO₃⁻)に富むアルカリ性の膵液を大量に分泌させる。一方、コレシストキニン(CCK)は脂肪やアミノ酸を消化することが目的である。その目的に合う作用先は胆嚢(収縮させて胆汁を十二指腸へ押し出す)と膵腺房細胞(消化酵素に富む膵液を分泌させる)である。このように、中和が目的なら膵導管・重炭酸イオン、消化が目的なら胆嚢・膵腺房・消化酵素、と収めると覚え直しが利く。この問は出題時に 1 と 2 のいずれも正解とする措置がとられたが、セクレチンの主たる効果器は膵臓(導管細胞)であって肝臓ではないため、本アプリでは 2 のみを正解とする。

✗ 1. 誤り
セクレチン ―――――― 肝 臓
※この肢は出題時には正解として扱われた(財団の措置)。ただし本アプリでは次の理由から誤りとする。セクレチンの目的は胃酸の中和であり、それを果たす主たる作用先は膵導管細胞で、重炭酸イオンに富むアルカリ性の膵液を分泌させることである。セクレチンは胆管上皮細胞にも作用して重炭酸イオンに富む胆汁の分泌をやや増すため、教科書には「胆汁分泌促進」と記載され、出題時はこの肢も正解として扱われた。しかし作用の主体はあくまで膵導管細胞であり、目的から辿ればセクレチンと組むべきは膵臓(導管細胞)である。
✓ 2. 正しい
コレシストキニン ――― 胆 嚢
コレシストキニンは十二指腸・空腸粘膜から分泌され、脂肪を消化するために胆嚢の平滑筋を収縮させ、同時にオッディ括約筋を弛緩させて胆汁を十二指腸に送る。胆嚢はまさにこのホルモンの効果器であり、名前も chole(胆汁)+ cysto(嚢)= cholecysto(胆嚢)に kinin(動かすもの)が付いた語で、そのまま「胆嚢を動かすもの」を意味する。同じ目的の延長として膵腺房細胞にも作用し、消化酵素に富む膵液を分泌させる。
✗ 3. 誤り
ガストリン ―――――― 膵 臓
ガストリンの目的は胃での消化の準備であり、作用先は胃腺の壁細胞(塩酸分泌促進)を中心とした胃である。膵臓を主たる効果器とするのはセクレチンやコレシストキニンであり、この組合せは誤りである。
✗ 4. 誤り
エリスロポエチン ――― 腎 臓
エリスロポエチンは腎臓(尿細管周囲の線維芽細胞等)で産生されるホルモンであるが、作用する相手(効果器)は骨髄の赤芽球系前駆細胞である。目的は赤血球を増やすことであり、腎臓は産生臓器であって効果器ではない。
ポイント
  • 目的から辿る:セクレチン=胃酸の中和→膵導管細胞→重炭酸イオンに富むアルカリ性の膵液
  • 目的から辿る:コレシストキニン=消化→胆嚢収縮(胆汁の排出)と膵腺房細胞→消化酵素に富む膵液
  • セクレチンは胆管上皮細胞にも作用して胆汁分泌をやや増すが、主たる効果器は膵臓(導管細胞)である
  • ガストリンの効果器は胃(壁細胞の塩酸分泌促進)で、膵臓ではない
  • エリスロポエチンは産生臓器が腎臓、効果器は骨髄の赤芽球系前駆細胞。産生臓器と効果器を混同しない
  • 重要用語: セクレチン、コレシストキニン、膵導管細胞、膵腺房細胞、重炭酸イオン、効果器 を正確に理解しておくこと。
比較表
ホルモン分泌部位・刺激目的効果器主な作用
セクレチン十二指腸粘膜/酸性内容物胃酸の中和膵臓(導管細胞)重炭酸イオンに富むアルカリ性膵液の分泌(胆管上皮にも作用し胆汁分泌をやや促進)
コレシストキニン十二指腸・空腸粘膜/脂肪・アミノ酸消化胆嚢、膵臓(腺房細胞)胆嚢収縮、消化酵素に富む膵液の分泌
ガストリン胃幽門部G細胞/機械的・化学的刺激、迷走神経胃での消化の準備胃(壁細胞など)塩酸分泌促進
エリスロポエチン腎臓/低酸素赤血球を増やす骨髄(赤芽球系前駆細胞)赤血球造血の促進
解説画像
鍼灸 第23回(2015) 問題31|ホルモンとその効果器の組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第23回(2015) 問題31|ホルモンとその効果器の組合せで正しいのはどれか。
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