学習トップ理由で解く 生理学第4章 ▸ B. 消化管の運動 / Q0282

理由で解く 生理学

Q0282 消化と吸収

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題38
問題
大腸について正しいのはどれか。
選択肢
1 多数の細菌が常在する。
2 消化管内水分の約80%が吸収される。
3 大蠕動は1時間に数回起こる。
4 蛋白質分解酵素を分泌する。
解答
正解1(多数の細菌が常在する。)
解説
✓ 1. 正しい
多数の細菌が常在する。
大腸には多数の細菌が常在している。大腸内には大腸菌をはじめとして多数の細菌が常在しており、小腸で消化しきれなかったものを分解する。食物繊維は腸内細菌により発酵されて酪酸・酢酸やCO₂・H₂・メタンなどのガスを発生する。アミノ酸は腸内細菌によりインドール・スカトールなどを生成し、糞便臭の原因となる。
✗ 2. 誤り
消化管内水分の約80%が吸収される。
消化管内水分の約83%は小腸で吸収され、大腸では約16%が吸収される。水分吸収の主役は小腸である。
✗ 3. 誤り
大蠕動は1時間に数回起こる。
大蠕動は1日に数回起こる運動であり、1時間に数回ではない。大蠕動は横行結腸からS状結腸にかけて広範囲の平滑筋が同時に収縮し、内容物を一気に直腸へ運ぶと記載されている。
✗ 4. 誤り
蛋白質分解酵素を分泌する。
大腸液はアルカリ性で粘液に富むが、消化酵素は含まない。タンパク質分解酵素は胃液(ペプシン)や膵液(トリプシン)に含まれる。
ポイント
  • 大腸の主な機能は水・Na⁺の吸収と糞便の形成であり、消化酵素は分泌しない。腸内細菌が消化残渣を分解する。
  • 覚え方のコツ: 「大腸は"水を吸って固める+菌が分解"」と二つの役割で整理する。
  • 関連知識: 大蠕動はしばしば摂食後に起こり、これは胃の充満による胃-大腸反射によるものである。
  • よくある間違い: 「消化管内水分の約80%吸収」を大腸と勘違いしやすいが、これは小腸の役割である。
比較表
項目 小腸 大腸
水分吸収 約83% 約16%
栄養素の吸収 主要な吸収部位 ほとんど行わない
消化酵素 マルターゼ等(上皮細胞) 含まない
消化液の性状 弱アルカリ性 アルカリ性・粘液に富む
運動 分節・振子・蠕動運動 分節・蠕動・逆蠕動・大蠕動
常在細菌 少ない 多数(腸内細菌叢)
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題38|大腸について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題38|大腸について正しいのはどれか。
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