
この図の解説
電子顕微鏡写真の主役は、細胞質を層状に埋めつくす扁平な袋(扁平囊)の重なりだ。この膜の表面に黒い粒として点々と並ぶのがリボソームで、リボソームが付着した小胞体を粗面小胞体という。左下の拡大像では、波打つ膜の縁にリボソームがびっしり付く様子がはっきり見える。写真右下の濃く染まる大きな構造は核であり、粗面小胞体が核のすぐ外側で発達している位置関係も読み取れる。粗面小胞体の役割は、細胞外へ分泌するタンパク質を合成することだ。ここで合成されたタンパク質はゴルジ装置へ送られ、濃縮や糖の付加といった加工を受けて分泌顆粒になる。だから膵外分泌細胞や胃底腺主細胞、神経細胞、抗体をつくる形質細胞など、タンパク合成のさかんな細胞ほど粗面小胞体がよく発達している。
学習の要点
- 粗面小胞体は表面にリボソームが付着した小胞体で、細胞外へ分泌するタンパク質を合成する。
- 覚え方のコツ: 「粗面=リボソームでザラザラ=タンパク工場」「滑面=つるつる=脂質・ステロイド・カルシウム係」と対で覚える。
- 関連知識: 粗面小胞体で合成されたタンパク質は次にゴルジ装置へ渡り、糖の付加を受けて分泌顆粒になる。滑面小胞体は肝細胞のグリコーゲン合成、副腎皮質や卵巣・精巣のステロイドホルモン合成、筋細胞のカルシウム貯蔵にはたらく。
- よくある間違い: リボソームが付くのは滑面小胞体、と取り違える誤り。付着するのは粗面小胞体の側。
- 臨床応用: 抗体を産生する形質細胞は粗面小胞体が著しく発達し、活発なタンパク合成で免疫グロブリンをつくる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
小胞体には、表面にリボソームが付着する( )と、付着しない滑面小胞体がある。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 粗面小胞体
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。