
この図の解説
この図はミトコンドリアの電子顕微鏡像と模式図を並べ、二重膜の構造とエネルギー産生の場を対応づけて示す。外側の外膜と、内側で内部へ深く折れ込んでひだ(クリステ、教科書ではクリスタ)をつくる内膜の、二重の膜の袋からなる。内膜に囲まれた内部の基質がマトリックスである。左上のまとめは反応がどこで起こるかを整理する。酸素を使わない解糖は細胞質(ミトコンドリア外)、酸素を使うTCA回路はマトリックス、電子伝達系はクリステで行われる。ミトコンドリアは栄養素を燃焼して得たエネルギーをATP(アデノシン三リン酸)の形にして細胞活動へ供給する、エネルギー産生の場である。形は球形ないし糸状(立体的にはソーセージ状)で、数は細胞によって異なり、肝細胞1個には約2,000個が含まれる。図の中央に散在する点はマトリックス内のミトコンドリアDNAを表す。
学習の要点
- ミトコンドリアは外膜と内膜(クリステ)からなる二重膜の細胞小器官で、栄養素を燃焼してATPを産生するエネルギー産生の場である。
- 覚え方のコツ: 「マト=TCA、クリ=電子伝達」。マトリックスでTCA回路、クリステで電子伝達系。解糖だけはミトコンドリアの外(細胞質)で無酸素的に進む。
- 関連知識: ここでつくられるATPは、骨格筋のアクチン・ミオシン滑走やナトリウム-カリウムポンプの能動輸送など、全身の細胞活動でエネルギー源として消費される。
- よくある間違い: 解糖をミトコンドリア内の反応と思い込む。マトリックス(TCA回路)とクリステ(電子伝達系)の役割を逆に覚える。
- 臨床応用: 持続的な収縮を担う赤筋(赤色骨格筋)はミトコンドリアが豊富で、ミオグロビンとともに有酸素的なエネルギー産生を支える。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
ミトコンドリアの内膜が内部へ深く折れ込んでできたひだ状の構造を( )という。
答えを見る
答え: クリステ(クリスタ)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。