学習トップ理由で解く 作業療法士第11章 ▸ 一般 / QO60A041

理由で解く 作業療法士

QO60A041 作業療法評価学

出典:第60回作業療法士国家試験(2025)午前 問41
問題
朝6時に朝食をとり、8時に家を出て同じコースを歩き回り、10時にスーパーで同じ食材を購入して帰宅する行動を毎日繰り返す認知症患者で、最も考えられるのはどれか。
選択肢
1 HIV認知症
2 血管性認知症
3 前頭側頭型認知症
4 Lewy小体型認知症
5 Alzheimer型認知症
解答
正解3(前頭側頭型認知症)
解説

毎日同じ時刻・同じ経路・同じ行動を繰り返す「常同行動(時刻表的生活)」は前頭側頭型認知症に特徴的。

決まった時刻に決まった経路を歩き、同じ食材を買って帰るという判で押したような反復行動は、常同行動あるいは時刻表的生活と呼ばれ、前頭側頭型認知症(とくに行動障害型)に典型的な症状である。前頭葉・側頭葉前部の変性により、脱抑制・常同性・被影響性亢進・共感性の低下などが生じ、環境に依存した固定的パターンの行動が反復される。記憶や見当識は比較的保たれることが多く、道に迷う徘徊とは異なり毎回同じ完結した行動をとる点が鑑別のポイントである。

✗ 1. 誤り
HIV認知症
HIV感染に伴う亜皮質性認知症で、精神運動緩慢や無為が主体。常同行動は特徴的でない
✗ 2. 誤り
血管性認知症
脳血管障害に伴い、まだら認知症・階段状進行・感情失禁・巣症状を呈するが、常同行動は主症状でない
✓ 3. 正しい
前頭側頭型認知症
常同行動・時刻表的生活・脱抑制・我が道を行く行動が特徴で本症例に最も合致する
✗ 4. 誤り
Lewy小体型認知症
具体的な幻視・認知の変動・パーキンソニズム・REM睡眠行動障害が特徴で、常同行動は主でない
✗ 5. 誤り
Alzheimer型認知症
近時記憶障害・見当識障害で発症し、目的なく歩き回る徘徊はあるが、同じ完結行動の常同的反復は典型的でない
ポイント
  • 同じ時刻・経路・行動の反復=常同行動(時刻表的生活)
  • 常同行動・脱抑制・我が道を行く行動は前頭側頭型認知症の特徴
  • Alzheimer型の徘徊は目的なく歩き道に迷う点で異なる
比較表
主な認知症の特徴
病型特徴的症状
前頭側頭型常同行動・脱抑制・我が道を行く行動・共感性低下
Alzheimer型近時記憶障害・見当識障害・取り繕い
Lewy小体型具体的幻視・認知の変動・パーキンソニズム
血管性まだら認知症・階段状進行・感情失禁
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