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理由で解く 作業療法士

QO60A006 作業療法治療学

出典:第60回作業療法士国家試験(2025)午前 問6
問題
35歳の男性。交通事故により頸髄損傷完全麻痺(第4頸髄節まで機能残存)で回復期リハビリテーション病棟に入院中である。60歳代の父母との同居を見据えて作業療法を実施している。介助量軽減に向けた支援機器・自助具を図に示す。導入で正しいのはどれか。2つ選べ。
図
選択肢
1
2
3
4
5
解答
正解1(1)、5(5 別 冊 No. 2)
解説

第4頸髄節までの完全麻痺では上肢は実用にならない。上肢を使わず操作できる機器か、介助者の負担を直接減らす機器かで選ぶ。

C4完全麻痺では頸部の筋や横隔膜、僧帽筋は働くが、三角筋・上腕二頭筋(C5〜6)以下が麻痺し、上肢・手指は実用的に動かせない。60歳代の父母との同居を見据えた介助量軽減が目的なので、介助者の身体的負担を直接減らす機器か、患者が上肢を使わずに操作できる機器が適応となる。移動用リフトは自力移乗が不可能な本例で、高齢の父母が行う移乗介助の負担を大きく減らせるため導入は適切である。マウススティックは口にくわえて操作し上肢をまったく必要としないため、キーボード操作などの意思伝達・機器操作に使え適切である。ジョイスティック付き電動車椅子は手でジョイスティックを操作する前提で、C4ではチンコントロールや呼気操作でなければ動かせない。万能カフは食具を保持できても、肘屈曲と肩の随意運動で口まで運ぶ必要があり、C4では使えない。ポータブルスプリングバランサーも上肢の重さを免荷する装置で、肩・肘の随意運動が残るC5以降が適応である。したがって正答は1と5である。

✓ 1. 正しい
移動用リフト。自力移乗できない本例で高齢の父母の移乗介助負担を大きく減らせる
✗ 2. 誤り
ジョイスティック付き電動車椅子。手で操作する方式のためC4では動かせない
✗ 3. 誤り
万能カフ。食具を保持できても肘屈曲・肩の随意運動がなく口まで運べない
✗ 4. 誤り
ポータブルスプリングバランサー。肩・肘の随意運動が残るC5以降が適応
✓ 5. 正しい
マウススティック。口だけで操作でき、上肢を使わず意思伝達や機器操作ができる
ポイント
  • C4残存は上肢随意運動なし
  • 頭頸部・呼気・音声で操作する機器が適応
  • 環境制御装置・マウススティックが代表
  • 上肢操作前提の自助具は不適
比較表
頸髄損傷レベルと自立の目安
残存レベル主な残存筋操作手段の目安
C4横隔膜・僧帽筋環境制御装置・マウススティック等
C5三角筋・上腕二頭筋手関節固定装具+自助具でリーチ
C6手根伸筋(腱固定)テノデーシスで把持、多くのADL自立へ
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