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理由で解く 作業療法士

QO58P004 作業療法治療学

出典:第58回作業療法士国家試験(2023)午後 問4
問題
45歳の男性。2週前に下痢症状があった。2日前から両下肢に力が入りにくくなり、病院を受診し、Guillain-Barré症候群と診断された。意識は清明で、言語機能、認知機能に問題はなかった。四肢の腱反射は低下し、感覚障害を認め入院となった。入院後、上下肢筋力が低下し、座位や食事動作が困難となり、水を飲むときにむせるようになった。入院5日目の時点で行わないのはどれか。
選択肢
1 嚥下訓練
2 呼吸訓練
3 筋力増強訓練
4 関節可動域訓練
5 座位のポジショニング
解答
正解3(筋力増強訓練)
解説

GBSの急性期(症状進行期)は脱神経筋が過用性筋力低下(overwork weakness)に陥りやすく、強い筋力増強訓練は禁忌。この時期は廃用・拘縮・誤嚥・呼吸不全の予防が主体。

Guillain-Barré症候群(GBS)は先行感染後に発症する急性炎症性脱髄性多発根神経炎で、通常は発症から数日〜2週で症状が進行し(進行期)、その後プラトーを経て回復に向かう。入院5日目は筋力低下がなお進行し嚥下障害も出現している進行期にあたる。この時期の脱神経筋に高負荷の筋力増強訓練を行うと、かえって筋を障害する過用性筋力低下を招くため禁忌である。一方、むせ(嚥下障害)に対する嚥下訓練・誤嚥予防、呼吸筋麻痺・呼吸不全に備えた呼吸訓練、拘縮予防の関節可動域訓練、褥瘡・変形予防の座位ポジショニングは、いずれも急性期から必要な合併症予防的介入であり実施する。したがって『行わない』のは筋力増強訓練である。

✗ 1. 正しい
嚥下訓練
むせ(嚥下障害)が出現しており誤嚥予防のため必要(行う)
✗ 2. 正しい
呼吸訓練
進行期は呼吸筋麻痺・呼吸不全のリスクがあり必要(行う)
✓ 3. 誤り
筋力増強訓練
進行期の脱神経筋は過用性筋力低下を招くため行わない(正答=行わない)
✗ 4. 正しい
関節可動域訓練
麻痺による拘縮・変形の予防に必要(行う)
✗ 5. 正しい
座位のポジショニング
褥瘡・変形予防や安楽・呼吸のため必要(行う)
ポイント
  • GBS進行期は過用性筋力低下に注意
  • 急性期に強い筋力増強訓練は禁忌
  • 嚥下・呼吸・ROM・ポジショニングは合併症予防で実施
  • 回復期に入り筋力に応じ漸増的に強化
比較表
GBS急性期に行う/控える介入
介入急性期(進行期)での可否
嚥下訓練行う(誤嚥予防)
呼吸訓練行う(呼吸不全予防)
関節可動域訓練行う(拘縮予防)
ポジショニング行う(褥瘡・変形予防)
高負荷筋力増強訓練控える(過用性筋力低下)
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